市和歌山 この献血で、誰かがきっと助かる 選手ら30人が協力 /和歌山
<第91回選抜高校野球大会 センバツ> 第91回選抜高校野球大会出場を決めた市和歌山の選手たちが先月、献血に協力した。献血する若年層の割合は中年層に比べて少なく、チームでの取り組みが、けがや病気で輸血を必要とする患者たちの命を救うことにつながっている。 チームは県内の高校野球関係者から打診を受け、2017年に初めて献血に協力し、2回目となる今回は1月18日に実施した。 選手には数日前に概要を記したチラシが配られ、半田真一監督(38)が協力を呼びかけた。当日は、厚生労働省の採血基準で献血が認められていない15歳以下の選手を除き、半田監督らも含めた約30人が協力。献血バスが待機する学校近くの福祉施設に出向き、県赤十字血液センターの職員から注意点の説明を受け、1人200~400ミリリットルを提供した。献血は初めてという瀧谷侑斎(ゆうせい)選手(1年)は「誰かが助かることを考えると、やって良かった」と話した。 同センターによると、2017年度の県内の献血協力者は3万9145人で20年前の4分の3に減少した。住民に占める協力者の割合は、50代が8・5%と最多で、40代8%▽30代6・1%▽20代5・2%▽10代4・7%-と若年層への浸透が課題となっている。 同センターの逢坂泰弘推進係長は「選手の皆さんのように若い頃に経験してもらい、社会に出てからも協力してもらえれば」と話した。【後藤奈緒】