【金融庁KPI結果発表】顧客が一番儲かっているネット証券は? 投資信託コスト&リターンで優秀なのはココ!
ところで、auカブコム証券は自社サイトで「0%以上+10%未満」「+10%以上+30%未満」など利益率ごとの顧客の分布状況を棒グラフで示しているが、他の4社のように「運用成績がプラスの顧客は全体で何%なのか」については記載がなかった。 棒グラフの数値を足し合わせればだいたいの数値はわかるが、本誌の表では「––––」とした。 「2」の表ではネット証券5社の預かり残高上位20銘柄の「コスト」「リスク」「リターン」をまとめた。 コストは預かり残高に応じて日割りで引かれる手数料(信託報酬)が主である。安いほうがいいが、「コストに見合ったリターンを実現しているか」も重要だ。 「リスク」は表中の数字に相当する値下がりで損をするという意味ではなく、投資信託の値段(基準価額)の振れ幅(≒安定性)を示す。 さて、コストとリターン。 主要ネット証券5社のコストは、楽天証券の0.18%が最安、次にSBI証券の0.2%(同社のみ小数点第1位までの公表)。他の3社が0.4%台だ。 ■声なき口コミ リターンは楽天証券の20.15%が最も高く、SBI証券の19.2%が続く。 リスクは(低いほうがいいとすると)、1位がauカブコム証券の15.66%、2位がマネックス証券の16.85%、3位がSBI証券の17.0%。 逆に一番リスクが高かったのは松井証券の18.40%だった。松井証券はリターンが16.50%と5社中で5位。 松井のユーザーが好んで買う投資信託は、残り4社のユーザーと少し違うのかも。 「3」の表は、主要ネット証券5社それぞれの投資信託預かり残高ランキング。 投資信託に限らず、売れ筋商品のランキングは「声なき口コミ」といわれる。預かり残高の多さは多くの投資家に支持されている証しでもある。 金融庁の共通KPIでは「設定から5年以上経過した投資信託」を対象に各社の預かり残高上位20銘柄を公表対象としている。 ただ、今年1月の新NISAスタートをにらみ、「長期、つみたて、分散」に向いた低コスト投資信託の新規設定が相次いだほか、インド株の低コストインデックス型投資信託も連発で登場した。 いずれも設定から5年は経過していないが、売れている。この状況は現状の金融庁KPIから見えてこない。