「物語性のあるイラストを描きたい」色彩表現で“感情”を伝える方法とは? 配色のプロが事例で紹介
「物語性のあるイラストを描きたい」「制作物の世界観を作りこみたい」「お絵描きするときの配色アイデアがほしい」 カラーコーディネーターとして企業のカラーコンサルティングや研修、色彩教材の企画制作などを手掛ける東京カラーズ株式会社代表取締役の桜井輝子さんは、色彩で様々な世界観や感情表現ができるといいます。 では、小説や漫画に登場する「恋愛」の描写シーンには、「告白」「片想い」「結婚」など、さまざまなものがありますが、これらのシーンを視覚的に表現するとしたら、どんな配色にするといいのでしょうか? 桜井さんの著書『STORY COLOR BOOK 物語を感じる配色アイデア』(インプレス)に収録された中から「恋愛」の関係性や感情の色彩表現について解説した事例を紹介します。
【恋人】
まずは、恋人同士という設定を見てみましょう。一緒に過ごす時間がこの上なく幸せなふたりが醸し出す空気感は、定番の赤・ピンク系をベースカラーにすることで表現できます。そこに、ゴールドのように見えるベージュと、シルバーのように見えるグレイを加えて、キラキラした雰囲気を演出。プロポーズシーンのドラマチックな雰囲気を表現できます。(イラスト:しまざきジョセ)
【両片想い】
本当は両想いなのに、お互いの気持ちを確認するチャンスがないままのふたり……。甘すぎないピンクを軸として、グレイ系やブルー系を合わせると、相手の気持ちに対して確信が持てず、揺れ動く感情を表現できます。グリーン系を使う時は、イエローグリーンよりもブルーグリーンのほうが、配色としてまとまりやすくなります。(イラスト:新水)
【友達以上、恋人未満】
いつも仲良し。頼りになる相棒で、安心して何でも相談できる相手だけど、恋愛とまでは言えない状態のふたり。ここでは、透明感を感じるグリーン系をメインに使い、控えめなアクセントとしてパステルピンクやグレイッシュピンクを使います。グリーン系とパープル系は暖色でも寒色でもない色(中性色)なので、フラットな関係性を表現したい時に使えます。(イラスト:新水)