AI導入の前にデータの整理が重要な理由--準備不足が招くさまざまな問題
人工知能(AI)、リアルタイム分析、仮想現実(VR)、コネクテッドエンタープライズなど、現在の驚異的なテクノロジーをめぐる興奮は頂点に達している。しかし、適切なデータがなければ、それらの取り組みは行き詰まってしまう。企業はまだデータハウスを整理できておらず、そのせいで生成AIなどの取り組みを進める準備が整っていないことが、先頃実施された2つの調査で明らかになった。 データ処理とAI開発の取り組みの足並みがそろわない状態が、ビジネスの世界全体で続いている。問題は、データが依然として非常に大きなリスクであり、データ駆動型の取り組みやAIベースの取り組みにおける資産になっていないことだ。 AIなどの最先端のイニシアチブに大急ぎで着手しているが、「テクノロジーとデータベースへの投資をどう評価すべきか理解しておらず、いまだにコストセンターとしか見てない組織が多い」。こう語るのは、Redgate Softwareの最高財務責任者(CFO)を務めるSteve Mitchell氏だ。「しかし、成長の機会と大きな価値創造の機会が、データ(そして増え続けるデータを迅速に活用する能力)によって得られることを実証した組織もある。データ中心の意思決定の時間短縮と改善によって生じるメリットを確実に測定する手段を求め、それを模索していく組織が増えるだろう。そのようなメリットには、業務遂行の改善、無駄な労力やリソースの削減、チームの満足度の向上などがある」 AIは引き続きIT投資の優先事項ではあるものの、データのジレンマが原因で勢いが鈍っていることが、IT幹部1000人を対象としたPresidioの調査で明らかになった。86%以上の回答者が、有意義な洞察を得ることの難しさや、リアルタイムのデータアクセスの問題など、データに関する障壁があるとしている。 調査に応じたIT幹部の半数が、準備が十分に整う前に生成AIに手を出してしまったと考えているという。生成AIを導入済みと回答した人の84%が、データソース関連の問題を経験している。「この調査結果から、準備とはテクノロジーを導入するだけではなく、適切なデータとインフラストラクチャーを用意することでもあると考えられる」。調査レポートの執筆者らはこう記している。