合言葉は「2次予選に行こう」川和が延長の末、住吉を2-1で下し1次予選突破
終了のホイッスルが鳴った瞬間、右腕を振りあげ、喜びを爆発させた川和・岡野亘監督。感慨深いのもうなずける。 現在、3年生部員はわずか8人。そのため経験の浅い1、2年生の力を借りないとチームが組めないほど、台所事情は苦しいものだった。実際、住吉戦のスタメンは3年が5人、残り6人は全員2年生だった。 しかし、チームは固く結ばれていた。病気療養中の仲間のため、膝の大ケガを負った仲間のためにと、チーム内では『2次予選に行こう』を合言葉に戦い、そして実った。岡野監督は「監督である自分がなにをしたというより、選手が仲間のために戦った、これがすべてです」と健闘をたたえた。 また「全員でつかんだ2次予選です」と話したのはPKを決めた主将のDF10佐藤。「先に失点してしまったので、思うような展開にはなりませんでした。前半で同点にしましたが得点できず、苦しい試合になりました。(相手を押しこむなかでも)守備陣としては味方が攻めているときこそ、リスク管理が重要なので、その点がうまくいきました」と勝因を語った。 今年コーチから監督に就任した岡野監督はこれまでチームに足りなかった球際、切り替え、ハードワークを短期間ながら浸透させ、ここ数年遠のいたインターハイ1次予選の壁を突破した。 「チーム全員、そして応援してくれた保護者のかた、川和高校のみんなでつかんだ勝利です」と岡野監督は力強く語った。 (文・写真=佐藤亮太)