「J2沼」なんて関係なし! J2降格1年目に無双した最強チーム6選。歴史に刻まれた「環境破壊」たち
下部リーグへの降格ほど悲しく、恐ろしいものはない。J2降格後、なかなかJ1復帰が叶わず『J2沼』に引きずり込まれてしまうクラブも少なくないからだ。しかし、圧倒的な強さで1年でのJ1復帰を果たした例もわずかにある。そこで今回は、J2降格1年目で無双して「環境破壊」を引き起こした最強チームを紹介する。※成績はデータサイト「Transfermarkt」とJリーグ公式記録を参照。情報は全て11月8日時点。
湘南ベルマーレ(2014年)
監督:曺貴裁 いまではJ1定着を果たし、圧倒的な残留力をもつ湘南ベルマーレだが、かつては典型的なエレベータークラブだった。 2009シーズンをJ2・3位で終えた湘南は、J1昇格が決定。しかし、2010シーズンはJ1・18位で降格が決定し、2011~2012シーズンを再びJ2で過ごした。2013シーズンにJ1復帰を果たしたが、ほとんどを降格圏で過ごし、最終的に16位でJ2降格が決まっている。 このようにJ1昇格とJ2降格を何度も経験して、チームは歴史に残る1年となる2014シーズン(J2)を迎えた。 このシーズンは、曺貴裁監督体制3年目。これまでの戦い方から大きな変化はなく、豊富な運動量を駆使したハイプレスとショートカウンターサッカーでJ1復帰を目指した。 湘南は前年度の悔しさを晴らすかのように、J2の舞台で躍進を遂げる。開幕から第14節まで全勝で首位を突き進み、第15節で初黒星を喫するものの、第16節から再び無双状態へ。第3節で首位に立ってから一度もその座を譲ることなく、独走した。 最終的に42試合31勝8分3敗という異次元の勝負強さを披露し、勝ち点は「101」を記録。J2優勝と来季のJ1昇格を掴み取っている。 ベースとなる[3-4-3](3-4-2-1)では、最終ラインにDF三竿雄斗、丸山祐市、遠藤航が名を連ねた。今ではいぶし銀の守備職人となった彼らだが、当時は20代前半。チームは大きなポテンシャルを秘めた若手選手を軸に、リーグ戦87得点25失点という堅守を発揮した。 ベテランと若手が融合した、アグレッシブでタフなサッカー。驚異的な強さを発揮した要因には、曺監督が湘南らしいサッカーを貫くことができた部分が大きいだろう。