「J2沼」なんて関係なし! J2降格1年目に無双した最強チーム6選。歴史に刻まれた「環境破壊」たち
ヴァンフォーレ甲府(2012シーズン)
監督:城福浩 2012シーズンのヴァンフォーレ甲府は、チームスローガンに『MOVE』を掲げた通り、観る者の心を動かす素晴らしいパフォーマンスを残した。 甲府は2010シーズンにJ1復帰を掴み取ったが、久しぶりのJ1で過ごした2011シーズンは想像以上に厳しいものになった。開幕から低調だったチームは引き分けが多く、勝ち点3から見放される形に。後半戦ではほとんど降格圏を抜け出すことができず、わずか1年でのJ2降格が決定してしまう。 ちぐはぐなチーム方針によってJ1残留を果たせなかったクラブは、新指揮官に城福浩を招聘。1年でのJ1昇格を目指す戦いが始まった。 新体制となったチームでは、退団したFWハーフナー・マイクに代わってダヴィが台頭。監督が掲げる「ムービング・フットボール」も徐々に浸透し、ボールと人が積極的に動く攻撃的なサッカーで、着々と順位を上げていった。 チームは第27節から首位に浮上すると、シーズン終了までその座を維持。第19節から最終節まで24試合無敗という驚異的な強さを発揮し、2位の湘南ベルマーレに勝ち点11差をつけてJ2優勝を達成した。 その後、J1復帰を果たした甲府は、城福監督の下で2シーズン連続J1残留に成功。この流れを作ったのは、他でもなく圧倒的な強さを誇った2012年のチームである。
ガンバ大阪(2013シーズン)
監督:長谷川健太 革命前夜。2013シーズンのガンバ大阪は、そう呼ぶに相応しい力強いチームだ。 話は2012シーズンから始まる。G大阪は2002年から長期政権を築いた西野朗監督が2011年をもって勇退。2012シーズンは新たな体制で臨むことになった。西野氏の後任監督にはジョゼ・カルロス・セホーン氏が就任し、コーチ陣には呂比須ワグナー氏が名を連ねた。 しかし、これがまずかった。新体制で攻撃的な姿勢を貫いたチームは、守備が大崩壊。リーグ17位の65失点を喫してクラブ史上初のJ2降格が決定した。 衝撃的な大下落を経験し、G大阪は2013シーズンを迎える。 1年でのJ1復帰を目指し、2013シーズンから指揮を任されたのが長谷川健太監督だ。幸いなことにJ2降格によって主力が流出することは避けられたため、チームは安定した戦力を維持。リーグ開幕から12試合連続無敗という盤石の戦いを見せ、前半戦を首位で折り返している。 その後、後半戦では一時リーグ首位を明け渡したことはあったものの、終盤には5連勝を含む6試合無敗を記録。1位でシーズンを終え、見事にJ2優勝を果たした。 この2013シーズンが「革命前夜」だと言える理由、それはG大阪が翌2014シーズンに前人未到の偉業を成し遂げたからだ。長谷川監督の下で勝者のメンタリティを植え付けられたチームは、J1復帰1年目にして国内3冠を達成。J1に未曾有の旋風を巻き起こした。