【詳報】「危険警報」新設だけがポイントではない 気象に関する防災情報は2年後、こう変わる 第1回“最難関のパズル”は解けたか
「警戒レベル」は、災害発生の危険度の高まりを「レベル+数字(1~5)」で表示するもので、「警戒レベル」導入に伴い、〈気象に関する防災情報〉の幾つかが、該当するレベルの状況になっていることを示す情報(レベル相当情報)としてレベルに紐付けられた。 ところが、これがわかりにくさに拍車をかけた。 例えば気象台が発表する「洪水警報」(レベル3相当)には、危険度が上位(レベル4・5相当)の情報がなく、「大雨警報(浸水害)」(レベル3相当)の上位には「大雨特別警報(浸水害)」(レベル5相当)はあるものの、レベル4相当の情報が存在しない。 〈気象に関する防災情報〉はもともと警戒レベルを想定してつくられていないことなどから、警戒レベルの枠にすべてを当てはめることはできないのだ。 ここであらためて図-3を見てほしい。「警戒レベル」も組み合わせた情報体系は、体裁を考えずに建て増しを重ねた末の、いびつで不細工な建築物のようになってしまった。 災害発生の危険度の高まりをわかりやすく伝える目的で導入された「警戒レベル」が、結果的に〈気象に関する防災情報〉のわかりにくさ、伝わりにくさを助長しているというのは皮肉というほかない。 ■ついに見えてきた「秩序」 報告書では〈気象に関する防災情報〉の体系と名称の改善の方向性が複数示されているが、その中で最も重要なポイントは、「警戒レベル相当情報」の体系を整理するにあたって、情報名に「警戒レベル」と「現象・災害の危険度」に応じて統一性・整合性を持たせたことだ。 図-4のヨコ軸は4種類の現象・災害(左から「洪水」「大雨浸水」「土砂災害」「高潮」)の危険度を、タテ軸は警戒レベル(上から危険度の大きい順に5~2)を示している。 ヨコ軸の、例えばレベル5相当の行を見ると、どんな現象・災害であっても情報名にはどれも「特別警報」が付いている。同様に、レベル3相当の情報名にも一貫して「警報」が付いている。