東大も震撼した「円周率が3なんて、けしからん」…「計算力の低下問題」をはるかに超える問題「円が正六角形でいいんですか?」
知識の広がりに「ストーリー」はあるか
ちなみに、アルキメデスは紀元前3世紀に、円に内接および外接する(正六角形→正十二角形→正二十四角形→正四十八角形→)正九十六角形を考えることで、円周率を223/71<<22/7、小数では3.14084<<3.14286まで求めていたそうです。 先の記事でも触れたように、円周率を3と教えることは、計算力の低下を招くと同時に、「円は正六角形である」と教えることになりますが、それでいいですか? という問いかけが、数学界を越えて社会全体に投げかけられたのです。 「基本的な数学の知識」を問う問題で求められる知識とは、「定義から積み上げられた知識」であることがひしひしと感じられる問題だったと思います。 公式を覚え、それを的確にあてはめることが数学ではありません。知識が線から面へと広がるなかでつながり、そこにストーリーがあることが大切なのです。 中学数学で解く大学入試問題 数学的思考力が驚くほど身につく画期的学習法 有名大学の問題が「解ける喜び」「考える楽しさ」を体感しよう! 中学数学の知識・技術で大学入試問題にトライして、数学の真髄に触れる。
杉山 博宣(岐阜県立高等学校教諭)
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