東洋精鋼、新東工業と量産型金属粉じん固形化装置共同開発へ
宮崎精鋼グループの東洋精鋼(本社・愛知県弥富市、社長・渡邊吉弘氏)は金属粉じんの再資源化、活用へ向けた取り組みを前進させた。独自技術を確立しプロトタイプを製作した設備の量産型開発を、工作機械メーカー・新東工業と共同で進めることで合意した。今後両社のノウハウを結集した汎用性の高い装置づくりに注力し、来年度内にも本格販売を始めたい考えだ。 同社は昨年、部品加工時などに発生する金属粉じんにバインダー(硬化剤)を混ぜ、圧縮、押出、乾燥することで円柱形状に固形化する技術を開発した。同時に、加工機である「Dust Solidify Device」(DSD)を完成させている。 DSD初号機の製作後改良を進め、量産型である2号機の開発が完了した。より多くのユーザーが使用できる仕様を模索する中、別途独自で固形化装置に取り組んでいた、粉体の固形化技術、設備製造の豊富な知見を持つ新東工業と協業する機会を得た。 ショットピーニング、ショットブラストで生じる粉じんのみを対象とする同装置に限ったタイアップで合意し、量産型の共同開発を進めていくことが決まった。 DSD2号機では、直径45ミリ×長さ50ミリの固体を2分に1個のペースで成形。1時間当たり10~15キログラムを生産できるが、さらに能力を高めた装置の開発を目指す。 採用実績を着実に増やすため、機構の簡素化や保全負担軽減など設計を見直しながら来年度の市場投入を狙う。同工程を独立で行うタイプのほか、前後行程に合わせてカスタマイズし納入する需要にも対応する。ショット加工を手掛ける幅広い需要家を販売対象に設定し、国内外で販路開拓を図る構えだ。 東洋精鋼が長年目標としてきた環境、SDGs貢献を実現するDSDは、23日からポートメッセなごやで開催される展示会「Factory Innovation Week」の同社ブース(第三展示館・小間番号N33―13)で、特別仕様の2号機による実演を披露する計画だ。