アイソン彗星なぜ消えた?
日本時間の29日朝、太陽に最接近したアイソン彗星。太陽をぐるっと周って、12月以降に明け方の空で長い尾を見ることが期待されていました。しかし、彗星はほぼ消えてしまったようで、観測はかなり難しくなってしまいました。どうして消えてしまったのでしょうか? [動画]「アイソン彗星」無事だったら、どんな風に見えた?
彗星というのは、ちりや氷の塊でできています。これを彗星の「核」と言います。太陽に近づくと、氷が溶けて周りに吹き出します。これが尾っぽになります。アイソン彗星は、太陽に近づくほど、太陽の強い熱や、太陽からの引き伸ばす力を受けるようになりました。このため、彗星が溶けたり壊れたりしやすくなっていたと考えられています。 太陽を観測する人工衛星から画像が送られてきました。太陽観測衛星は、まぶしすぎる太陽の光を遮るため、遮蔽板を使って画像を撮ります。動画に写っている真ん中の円は、その遮蔽板です。 遮蔽版を使った観測機器でアイソン彗星を見てみたところ、核の部分が見えませんでした。動画を見てみると、最接近から数時間後の画像には明るい部分も見えていますが、これは「核」ではないということです。 核を取り巻くガスの部分を「コマ」と言いますが、この「コマ」や尾は残っているとみられています。動画でも下の方に尾が見えています。 彗星がすべてなくなってしまったわけではありませんが、今後明るくなったり長く伸びた尾が見えたりする可能性は小さいと言われています。 (参考:AstroArts)