【SNS時代のEC最前線】バロック、RANDA、SHIPSのCX高める「コンテンツ戦略」に迫る
SHIPSは新ブランドで動画を多様したUIを提供
<SHIPSは新ブランドで動画を多様したUIを提供> SHIPS(シップス)が2023年にリリースした、多忙な働く女性に寄り添うブランド「quaranciel(カランシエル)」のECサイトにおけるUIは斬新だ。 ブランドサイトのスマホのトップページをスワイプしていくと、自動再生する動画コンテンツが次々と表示される。 PCサイトのトップページではページの右半分をスクロールすることができ、その枠で自動再生する動画コンテンツを表示している。 メインターゲットである「多忙な現代の働く女性」が、手軽に多くの商品を見ることができるページとなっている。 動画コンテンツでは、「1週間コーデ」「最旬ニット3選」などユーザーが気になる情報をまとめて紹介している。動画の下部には、紹介した商品を一覧で確認でき、気に入った商品はすぐに購入できる。 <「visumo」の新機能がブランドのCX向上をサポート> 今回紹介したバロックジャパンリミテッド、RANDA、SHIPSは、ビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo(ビジュモ)」が新たに提供したAIでコンテンツをレコメンドする機能「visumo recommend(ビジュモ レコメンド)」や、SNSのようなユーザー体験を自社サイトへ実装できるテンプレート「フィードモーダル」を導入している。 これまでこのようなUIを導入するためには、高度な開発技術や、経験豊富なエンジニアが必要だった。しかし、「visumo」のようなツールが登場したことで、ユーザーの変化に合わせたUIでコンテンツを表示できるようになった。 ブランドが自社ECサイトにおいてスタッフ投稿やUGC、動画を配信することが”当たり前”になりつつある中で、次のフェーズではそのコンテンツをSNSのようなUIで見せることが”当たり前”になりそうだ。 ECサイトの売り上げ大半がスマホ経由になる中で、ECサイトのUIは、SNSなどと比べて進化が遅れていた。ここにきて「visumo」が、SNSのようなUIを手軽に実現する機能を本格リリースしたことで、ECサイトのUIが一気に進化する可能性がある。 広告のCPAの高騰や、ECの競争加熱による価格競争などが進んでいることで、自社ECサイトで顧客との結びつきを深めたいブランドは増えている。この新たなUIは、顧客体験価値(CX)を高めたいブランドにとって、画期的な一手となるだろう。 ■バロックジャパンリミテッド「SHEL’TTER WEBSTORE」 ■ジェイ・ビー「RANDA」 ■SHIPS「quaranciel」 ■ビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo」
「日本ネット経済新聞」記者 手塚 康輔