【SNS時代のEC最前線】バロック、RANDA、SHIPSのCX高める「コンテンツ戦略」に迫る
バロックジャパンリミテッド、インスタの発見タブ同様のUI採用
<バロックジャパンリミテッド、インスタの発見タブ同様のUI採用> ECサイトでトレンドとなりつつある、CX向上を図るためのコンテンツ戦略を実践する3社の事例を詳しく見ていきたいと思う。 まず最初は「MOUSSY」「SLY 」「rienda」などのファッションブランドを展開するバロックジャパンリミテッドのECサイト「SHEL’TTER WEBSTORE」だ。 以前の「SHEL’TTER WEBSTORE」では、検索ページで最新投稿やアクセスの多い投稿を表示していた。新たに機能をアップデートすることで、検索ページの「商品を見つける」というタブをタップすると、ユーザーの閲覧行動に合わせて写真や動画を表示するUIが出てくる。 気になるコンテンツをタップすると、拡大表示され、そのコンテンツで紹介しているアイテムの一覧も確認できる。下にスワイプすると、次々と新たなコンテンツを見ることができる。このUIはまさにインスタグラムの発見タブのUIと同様だ。 このUIであれば、普段、ブランドの配信する動画を見ないユーザーも、すき間時間になんとなく動画を視聴して、ブランドのスタッフの話に耳を傾けたり、着こなしの提案から商品の魅力を知って購入するといった新たな体験をする可能性は高いだろう。 購入に至らなくても、商品画像やモデル画像、スタッフ投稿、動画を一覧で確認することができるため、雑誌やカタログを見るような感覚で、ブランドの最新情報を眺めるユーザーは増えそうだ。 <「RANDA」、スタイリングと動画をまとめて表示し回遊率4倍> ジェイ・ビーが展開するレディースシューズを販売する「RANDA」では、検索タブの「スタイリングを見る」をタップしたり、トップページの「RECOMMEND」から入ると、動画やスタッフのスタイリング投稿などを一覧で閲覧できる。 以前から店舗スタッフが投稿する「STAFF STYLING」とInstagramライブのアーカイブを「LIVE」として、それぞれ別々に表示はしていたが、「RECOMMEND」では、ユーザーに合わせて「STAFF STYLING」の画像と「LIVE」の動画、カタログの画像を組み合わせて表示している。 「RECOMMEND」は「STAFF STYLING」のみの投稿と比べ、商品ページの回遊率が約4倍に高まるなど、高い成果を上げているという。 タイパ(時間対効果)を気にする現代のユーザーにとっても、移動中などふとした瞬間にブランドのコンテンツをまとめて確認でき、気になる商品やトレンドを手軽にチェックできる点が喜ばれるだろう。