<オートサロン>ラグジュアリーな車内空間を目指すパナソニック/「音が降り注ぐ」アルパインのスピーカーユニット
本日の1月10日(金)より開催されている「TOKYO AUTO SALON 2025」。ここでは、パナソニック・オートモーティブの提案する新しい車内エンタメのスタイルと、アルパインの最新スピーカー「Metio Sound」についてレポートしよう。 ■ラグジュアリーな送迎体験を実現する「WELL Cabin」- パナソニック・オートモーティブは、世界一の「移ごこちデザインカンパニー」と題して、エンタメ心に溢れた車内環境をデザインする新しい提案を多数展示していた。EV化の進展や自動運転の発達により、映像や音はもちろん、香り、空気の質といったさまざまな角度から、車内の環境をより豊かなものにしたいという要望が高まっている。そういった要望に応えるためのさまざまなアイデアが展開されていた。 「WELL Cabin」は、送迎における移動時間をより楽しめるものとして提案されたもので、ハイエースを改造し、55型の大型スクリーンと、スクリーン上下や車の天井などに8基のスピーカーを搭載した映画館のようなエンタメ空間となっている。 スポーツ観戦やコンサート会場への送迎といったシチュエーションを想定しており、移動時間に過去の試合を観戦して「ワクワク」を高める、といった特別な移動時間となることを目指している。シートにも振動子が搭載されており、音だけではなく振動でも没入感を高める工夫がなされている。 昨年の秋からは、アイスホッケーチーム横浜GRITSの試合開催と合わせて、横浜駅から試合会場までの送迎に活用するというサービスも実証実験として開始しているとのこと。移動時間も含めたラグジュアリーなスポーツ観戦体験として、今後も活用方法をさらに拡大していきたいと考えているという。 また、「プライベートエンタメルーム」と題した車では、17基のスピーカーを搭載した木製のチェア「Activation Seat」をセット。穴の空いたグリル部分にそれぞれスピーカーユニットが搭載されており、椅子に座ると、アームレストを含む周囲をぐるりと取り囲むスピーカーからの音楽再生を楽しめる。アンプは椅子の下に設置されており、DSP制御によって立体的な音場感を実現しているそうだ。椅子そのものがオーディオデバイスになる新しい可能性として期待できそうだ。 また「美容/リフレッシュチャージルーム」では、移動式の「美容アドバイスルーム」として提案。アプリで顔の写真を撮影すると、シミ、クマ、小ジワなど6つの項目で即座に肌質チェックを行い、課題となる部位に合わせてパナソニックの美容家電を試せるデモンストレーションを実施。オフィスビルの1Fスペースなど、忙しいビジネスパーソンの隙間時間で美容のアドバイスを行う、といった活用方法が検討されているそうだ。 ■アルパイン -天井から音が降り注ぎ音楽と一体になる- アルパインは、純正カーオーディオシステムをグレードアップできる「Metio Sound」の車種別システムを発表。ドアと天井にユニットを追加することで、運転中により音楽を深く楽しめる新しい提案となっている。 純正のカーオーディオのままでは、ロードノイズなどがうるさく音楽に没入できない、といった声が多数寄せられていることを受け、純正から手軽にアップデートできるユニットとして発売。天井に取り付けるフルレンジのユニット(トゥイーターではなくフルレンジ)とドアウーファー、ネットワークが同梱されており、ジムニーやハイエースなど車種別に用意されている。 三菱デリカのデモカーで、Metio Soundの搭載されたサウンドを体験した。ジャスティン・ビーバーの「What do you mean?」を聴いてみると、まさに天井から音楽が“降り注ぐ”ことで、音のシャワーを浴びているような音楽体験はなかなかに新鮮。いわゆるステレオ再生とは違うが、音楽と一体になったような軽快なサウンドを楽しませてくれる。 また三菱自動車のブースでは、トライトンを改造した“移動式DJ車両”も展示。Red Bullが主催するストリートパフォーマンスイベント「Street Jam」とのコラボレーションで、北は青森から南は沖縄まで、全国を回ってDJパフォーマンスを披露しているという。
筑井真奈