空手 植草歩が涙の引退会見「本当に幸せ」東京五輪種目入り尽力の“空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ”、自ら「広告塔」自負 今後は母校監督&モデル
空手の東京五輪組手女子61キロ超級代表の植草歩(32)が24日、都内で現役引退会見を行った。5月に自身のXで7月の国際大会を最後に第一線を退くことを表明していた。 【写真】思い出が走馬灯のようにー 引退会見で涙を浮かべる植草 ジャケット姿で登場した植草は「なんども考えたんですけど、色んなことが思い浮かんで、言葉が溢れてしまうことが多くて・・・。8歳から始めた空手を32歳まで続けることができて、本当に幸せに思います。何度も辞めたいなと思うこともあったんですけど、五輪という素晴らしい舞台で戦うことができて、広告塔としても参加できてうれしかったです。これからもメディアに出て、空手を広めていけたら」と、涙ながらに語った。 重圧のかかる立場の中で全日本選手権4連覇などの実績を残していた。「注目が力になると。プレッシャーを力にすることができた。メディアの力をいかせた、成長にもつながったし、うれしかったし、楽しかった」と、振り返った。 引退決断の理由については「モチベーションがなくなってしまった。五輪にすごく心を置いてやってきた。次の五輪にはないという中で、五輪の負けで終わりたくないと思って、半年休んで、海外回ってまた優勝できて、満たされていった。心がお腹いっぱいになった」と、語った。 今後については9月から母校日体大柏高の監督に就任したことを明かし、後進の育成に取り組むほか、ふくよかな女性向けのファッション誌「la farfa(ラ・ファーファ)」でモデルを務めるなど、メディア出演などにも積極的に取り組んでいく。 指導については「なぜ高校の指導をしようと思ったかというと、日体大柏時代、常に2番で、私自身も日本一になれなかった。情熱を今もそういう(日本一の)選手を育てていければ。外部コーチとして関わってきたけど、監督という形で生徒ともっと深く関わっていきたい。そしきをマネジメントしていかないと。チームとしての成長は難しいなと思った」と、語った。 また、「la farfa(ラ・ファーファ)」では、タレントの渡辺直美らが表紙を飾っており「ずっと憧れの女性で、きらきら輝いていて美しい。ポジティブなパワーが競技をしているときも励みになっていました。人を笑顔にする力をたくさんもっている方。共演したい」と、目標を語った。 植草は13年にワールドゲームズ(WG)で金メダルを獲得。同年に招致が成功した東京五輪で空手が追加種目入りを目指す中で、競技の「顔」として、アピールに尽力した。愛らしいキャラクターから“空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ”の愛称で親しまれた。東京五輪では1次リーグ敗退に終わったが、五輪後も現役を続け、23年には世界年間ランキング1位にも輝いた。フィリピンでの最後の国際大会も優勝で締めくくっていた。 ◇植草歩(うえくさ・あゆみ) ▽生年月日、出身地 1992年7月25日、千葉県八街市 ▽身長・体重 168センチ、68キロ ▽スポーツ歴 3歳から小学5年まで水泳。空手は小3の5月に幼なじみの影響で始めた。ミット打ちの際のパチン!とはじける音に「気持ちいい!」と魅了されたという。小4から中学3年まで陸上競技もやっていた。 ▽名前の由来 誕生日が92年バルセロナ五輪の開会式当日だったこともあり、動く名前をと考え、一歩一歩人生をかみしめて歩めるようにと名付けられた。 ▽好物 サバのみそ煮 ▽好きな色 ピンクと金 ▽座右の銘 笑う門には福来る。「自分が勝って笑っているから、自分の大切な人も幸せになる。そんなふうに幸せを伝えられる人になりたい」