「ママ友だから断りづらい…」公民館での“体験会”の正体は?保育園のママグループに忍び寄る怪しい影
こうした体験談は、マルチ商法にかぎらず、健康器具や健康食品販売でも定番だろう。 さらに講師は「家族の健康に大切な話」と幾度も強調しながら、農薬と添加物の怖さを解説しはじめた。 この界隈では「植物から抽出した精油(アロマオイル)は自然で安全」と考えるので、一般には安全性が確認されている農薬も添加物も、過剰に嫌う傾向がある。 嫌うというよりも、それらを悪者にすることで商品の優位性を高める、というべきか。 「アロマでハンドクリームを作るクラフトワークは実質30分くらい。残り1時間半近くのほとんどは、商品がいかに素晴らしいかの演説でした。 『お下がりは市販の柔軟剤が使われているから、子どもに着せると一気にアトピーが悪化する。だからアロマで手作り柔軟剤を作っている。子どもが興奮して寝てくれない? このアロマを使うと一発で静かになりますよ! 発熱時はこれを塗ると2日で熱が下がる!』 ……私には、共感しにくい話がたくさんでした」
パワフルな子どもらが、一発で静かになるアロマ。その話が本当なら、逆にコワいと思うのは筆者だけではないだろう。子どもの発熱は、何も塗らなくても2日経てば下がるケースが多そうだが。
アロマ原液は取扱注意!
この手のマルチ系アロマは「飲用」が問題視されるが、この会ではそれは行われなかった。しかし残念ながら、もうひとつ疑問視されている「原液直塗り」が登場した。 一般には、アロマオイルは刺激が強いため、希釈して使うのが必須とされているが、なぜかこのマルチ系アロマ会社のユーザー間では、原液を肌に塗る方法が横行している。
「みんなが当然のように手にとって塗るのでつられて私もやってしまったんですよね。オイルを直に触った指と、それを伸ばした左腕が翌日真っ赤に腫れてしまいました。 幸いうちの子は何かを肌に塗るのが大嫌いなので大人たちに近づいてきませんでしたが、興味を持った子はその場でいろいろ塗られていましたね。みんな、お肌大丈夫だったかな……」