WRC初開催のラリー・ラトビアは超高速グラベルラリー!? ロバンペラがやはり有利?【WRC第8戦プレビュー】
隣国のラリー・エストニアと入れ替わる形でカレンダー入り
そんな中で迎える第8戦ラリー・ラトビアはWRC初開催、隣国のラリー・エストニアと入れ替わる形でWRCのカレンダー入りを果たした。 WRC初開催といっても、北部をエストニアと、南部をリトアニアと接するラトビアは、以前からラリーの人気が非常に高く、これまで多くのラリーが開催されてきたため、ラトビアでのラリーを経験したドライバーは多い。 中でも「ラリー・リエパーヤ」はFIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の一戦として歴史を重ねており、今年ついにその「ラリー・リエパーヤ」が昇格する形で、ラリー・ラトビアとしてWRCが開催されることになった。 ラリー・ラトビアの路面はグラベル(未舗装路)でハイスピードなステージが多いのが特徴。高速コーナーが連続するステージのグラベル路面は硬質で、前戦のラリー・ポーランド、次戦の8月第一週のラリー・フィンランドと似ているところが多いことから、この3戦は「夏のハイスピード・グラベル3連戦」とも呼ばれている。 ラリーのキャラクターという点では、ポーランドと昨年までWRCとして行われたエストニアの要素が混ざったようなハイスピードイベントと言えるが、フィンランドに比べると軟らかい砂地のセクションもあるなど、ラトビアならではの難しさもあり、そのような場所では深い轍が刻まれるので注意が必要だ。
バルト海に面した西部の港湾都市リエパーヤ近郊が舞台
ラリー・ラトビアは7月18日(木)の早朝リエパーヤ近郊でシェイクダウンが行われ、その後リエパーヤから約200km離れた首都「リガ」へと移動。市中心部でのセレモニアルスタートに続き、夜8時過ぎからスーパーSSがリガ近郊のサーキット施設で行われ、4日間に渡る戦いがスタートする。 本格的な戦いは19日(金)のデイ2から始まり、リガの北西方面で7本のステージを走行。19日の合計距離は120.92kmと4日間で最長の一日となるだけでなく、ミッドデイサービスが設定されず、簡易的な整備作業のみ可能な「タイヤフィッティングゾーン」しか設定されないため、耐久的な要素も強い一日となる。 20日(土)のデイ3はリエパーヤの東側のエリアが舞台となり、SS8本のうち6本は一度しか走行しないステージという難しい設定。最終日となる21日(日)のデイ4はリエパーヤの東側エリアで、サービスやタイヤフィッティングゾーンを挟むことなく2本のステージを各2回走行。そのうち、SS18の再走ステージとなる最終のSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。 20本のスペシャルステージの合計距離は300.00km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1348.83kmが予定されている。 トヨタはカッレ・ロバンペラ、エルフィン・エバンス、セバスチャン・オジェ、勝田貴元の4台のGRヤリス ラリー1ハイブリッドで参戦。強力なフルメンバーによる4台体制で臨む。今回のラリー・ラトビアではロバンペラ、エバンス、オジェがマニュファクチャラーズポイント獲得資格のあるドライバーとして登録される。 ドライバーズ/マニュファクチャラーズ両部門でトップに立つヒョンデは、ティエリー・ヌーヴィルとオット・タナックに加え、フィンランド人ドライバーのエサペッカ・ラッピの3台体制でラリー・ラトビアに挑む。
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