“地獄渋滞”国道21号の救世主!?「岐阜南部横断ハイウェイ」計画のスゴさとは 新ルートに「夢の橋」も!? どこまで開通したのか
貴重な岐阜南部の東西軸
大垣市から美濃加茂市までをつなぐ、「岐阜南部横断ハイウェイ」という壮大な道路計画が進められています。 いったいどのような計画で、どこまで進んでいるのでしょうか。 【画像】超便利!? これが「岐阜南部横断ハイウェイ」計画ルートと工事状況です(30枚以上)
この計画は、国道21号の高規格バイパスという位置づけです。国道21号は大垣・岐阜・美濃加茂の三大都市圏をつなぐ貴重な東西軸にもかかわらず、大垣・岐阜・各務原・鵜沼と、どこもかしこも信号が連続して渋滞が激しくなっています。 困ったことにここは高速道路空白地帯で、この三都市を直結するルートはありません。かろうじて、将来的に完成予定の東海環状道が、大垣~美濃加茂を迂回バイパスする程度です。 その状況を打破するため、ある部分では「信号ゼロ高架」に、もしくは拡幅をおこなうことで渋滞を緩和するのが、この岐阜南部横断ハイウェイという一連の整備事業グループなのです。 気になる進捗状況は以下のとおり。 【6車線化】大垣市・瑞穂市 ここは信号ゼロ立体化ではなく、4車線→6車線の拡幅事業になっています。 昭和時代から続く計画ですが、平成10~20年代に大垣市と瑞穂市の計2工区で完成して、それ以来は目立った進展がありません。 大垣市で特に渋滞がひどい「河間~楽田町」が6車線化済みですが、肝心の河間交差点が未改良。交差点の手前でキュッと車線減少し強烈なボトルネックとなっていて、渋滞が深刻なままです。2023年11月に複雑な五差路が整理され、斜めに接続していた国道417号を脇道扱いに切り替えました。 【立体高架化 工事中】岐阜市 市境の長良川(穂積大橋)から、市街地を抜けて「茜部本郷」までの5kmを丸ごと信号ゼロ立体化する工事が進行中です。 ここは岐阜県の「事故多発箇所ワースト10」のうち、5か所が集中する悪名高い渋滞エリアで、信号ゼロ化によって平均旅行速度が時速19キロから、時速56キロまで高速化されると予測されています。 現在は全体の過半数で詳細設計が固まりつつあり、現場でも車線の切り回しでスペースを確保するなど、工事準備が着々と進んでいます。 【立体高架化 完成】岐南町 茜部本郷から東側は「那加パイパス」として立体高架化済みで、東海北陸道の岐阜各務原インターまでスイスイと快適に直結できます。 【新ルート? 検討段階】各務原市 各務原市内では、国道21号現道から南へ分岐し、木曽川北岸あたりを抜けて鵜沼へ達する構想ルートが作られています。 中心街を避けて鵜沼、美濃加茂方面へ直結する道路となり、エリア間移動に大きな変化をもたらすと考えられていますが、今のところ概略ルートを決める「計画段階評価」すらはじまっていません。まずは岐阜市内の立体化と東海環状道の全通へ集中して進めるかまえなのかもしれません。 【新ルート 完成】坂祝バイパス 鵜沼IC~大針ICが2016年までに2車線で暫定開通済みで、国道248号「太田バイパス」に接続して美濃加茂市へつながるようになっています。ここから美濃加茂市街までの整備計画がありますが、まだ具体化には至っていません。 【枝線ルート 着工準備段階】新愛岐大橋 扶桑~犬山で約6kmも「橋空白地帯」となっている木曽川に、もう1本橋を架けるものです。 木曽川の両岸道路をつなぐ約1.8kmの計画ですが、将来はここへ岐阜南部横断ハイウェイの各務原新ルートがつながってくることになっていて、この架橋計画もハイウェイの一貫として「枝線」扱いされています。 気になる進捗ですが、2024年度時点で、用地取得率は99%。すでに現場では橋脚が立ち始めています。完成めどはまだ発表されていません。
くるまのニュース編集部