ヤクルト・吉村貢司郎、苦手のDeNA・牧封じへ新球マスター「タイミングをずらす」チェンジアップ習得
ヤクルト・吉村貢司郎投手(26)が14日、新潟・燕市で行われた恒例の野球教室「つばめ野球クリニック2024」に、チームメートの高梨裕稔投手(33)とともに参加し、小学生約70人と交流した。先発陣では今季チーム最多の9勝を挙げた次世代のエース候補は「15勝以上」を目指す来季に向けて、チェンジアップ習得に意欲を燃やした。今季は対戦打率・455と苦手にしたDeNA・牧秀悟内野手(26)を、新球を駆使して攻略する。 時おり大粒の雪が降り注ぐ新潟・燕市。凍える寒さの中で、吉村の言葉に熱が帯びる瞬間があった。集まった地元の野球少年からの質問コーナー。「今まで対戦した中で、一番強かった打者は誰ですか?」との問いに、2年目の今季に苦戦した難敵の名前を挙げた。 「僕が投げていて、すごいバッターだなと感じるのは牧秀悟選手です」 今季の対戦成績は、打率・455(11打数5安打)と相性が悪かった。「バットとボールを合わせるコンタクト能力がずば抜けている」と尊敬のまなざしを向けたが、やられっぱなしで終わるつもりはない。 3年目となる来季へ、新球としてチェンジアップの習得に意欲を燃やした。「バッターのタイミングをずらしたい。奥行きでずらせるようなボールがほしいと思った」。実は昨オフから継続的に練習に取り組んでおり、7月に開催されたオールスターでは、チェンジアップを得意とする広島・床田から「抜き方を少し聞いた」と研究している。 今季日本一に輝いたDeNA打線の軸ともいえる牧を斬るためには「どこのボールを打つのもうまいので、そこをどう外すか。それこそ奥行きが必要。タイミングをずらすことが大事になる」と分析。150キロを超える伸びのある直球と鋭く落ちるフォークボールに、チェンジアップが加われば「新たな道が切り開ける」と攻略の糸口になりそうだ。 来季の目標は「15勝以上」で、初の開幕投手を目指す。次世代のエース候補が新球を手にし、進化を加速させる。(武田千怜)