「叱る、嫌がる、癇癪、撤退」アナウンサー・赤平大さんと発達障害の息子の"前向きな日常”
6年生の12月に突然「麻布中学を受けたい」と言った発達障害の息子さんの意思を尊重しつつ、二人三脚で中学受験を突破した元テレビ東京アナウンサーの赤平大さん。 【写真】元テレビ東京アナウンサーの赤平大さん 赤平さんも、発達障害のことを理解できずイライラとストレスを抱え苦しんだ過去がありましたが、発達障害について学ぶことで、子どもとの向き合い方は劇的に変わったそうです。 著書『たった3つのMBA戦略を使ったら発達障害の息子が麻布中学に合格した話。』より、赤平さんのトライ・アンド・エラーの様子が伝わる一節を紹介します。 ※本記事は赤平大著『たった3つのMBA戦略を使ったら発達障害の息子が麻布中学に合格した話。』(飛鳥新社)より一部抜粋・編集したものです。
発達障害の子が「姿勢をキープできない」理由とは?
息子に限らず、発達障害の子どもにとって背筋をピンと伸ばして立つ、キチンと座る―いわゆる「正しい姿勢」を保つのはとても難しいことです。どうしても"グラグラ""グニャッ""ダラッ"としがち。 これも原因は複合的ですが、理由の1つに生まれつき"体幹"が弱いことが挙げられています。体幹は、筋肉はもちろん骨格や内臓も含めた体の軸となる部分です。発達障害があると、その軸を感じ取ることが難しいケースがあり、その結果"グラグラ"して、自分自身の身体を支えられずに姿勢が悪くなってしまうのです。 体幹が弱いので、イスに座った時はどうもしっくりきません。誰でもそうだと思いますが、しっくりこないと落ち着かなくなります。そこで"しっくりポイント"を探るためにイスに座りながらモゾモゾしたりする。 さらに、しっくりポイントが見つかったはいいけれど、その姿勢が一般的には"悪い姿勢"だったりする―こうなると、親や学校の先生に叱られてしまうわけです。しかも、こうした"グラグラ"は成長と共に悪化するケースもあります。 これは頭蓋骨が重く、大きくなっていくからです。人間の頭の重さは体重の10%程度もありますが、その重い頭をしっかり支えてくれているのが、体幹とその周りにある筋肉です。元々体幹が弱いところへ、成長と共に頭が重くなっていくと余計に身体がブレやすくなるというわけです。 息子も、小さい頃から姿勢は良くありませんでしたが、小学校~中学校と進むにつれて少しずつ悪くなっていきました。 「ちゃんと座りなさい!」「姿勢!」私は姿勢に関して口うるさいタイプだと思いますが、何度口頭で指摘しても息子の姿勢は改善されませんでした。息子本人の力ではどうにもならないとわかっていても、口うるさく指摘してしまう"ダメ親"な私自身にも嫌気がさしました。 肘をついて寝そべっていたって勉強できれば問題ない、と切り替えて思うようにしたいのですが……。注意され続けると、息子の二次障害のリスクも高まってしまいます。