大谷翔平、現地メディアが指名打者でのMVP獲得の妥当性を強く主張
大谷翔平がまたも千両役者ぶりを発揮した。愛犬が始球式を務めた試合で先頭打者本塁打を放つと、その後、2盗塁を決め、MLB史上2人となる1シーズンでの42本塁打42盗塁を達成したのである。
これで大谷は史上初の43-42にリーチをかけるとともに、節目となる前人未到の50-50も達成可能なペースを維持した。もちろんこれで、期間限定で一刀流としてプレーするドジャースの主砲が、史上初となる2年連続両リーグでのMVP獲得へ前進したのは言うまでもない。
さて最近、現地メディア(主に東海岸)では、史上初となる指名打者によるMVP獲得に異を唱える向きもあるようだが、そんな大谷によるMVP獲得を推しているのがスポーツサイト『ジ・アスレチック』だ。
同サイトは現地8月28日付でスポーツライターであるケン・ローゼンタール氏の寄稿した記事を掲載。「ショウヘイ・オオタニの攻撃は他のナ・リーグMVP候補より断然優れている。彼の守備の欠落は問題なのか?」と題した記事の中で、同氏は今季の大谷について以下のように述べている。
「大きな肘の手術から回復しているオオタニは、今季はエリート級の先発投手としてパフォーマンスを発揮する守備ではプレーしていない」ものの、「それでも、彼は他の誰よりも、はるかに優れているため、今もナショナル・リーグMVPのフロントランナーだ」と自らの評価をはっきりさせている。
続けて記事では、「これまで専任の指名打者は誰もMVPを獲得していない」が、「BBWAA(全米野球記者協会)は投手や、指名打者にも(MVPの)権利はあることを明言しており、『何を持って最優秀を意味するか、明確な定義はない』とも明示している」とした。
その上で、「まだ、45-45を達成した選手はおらず、50-50は言うに及ばない。オオタニが恐らく成し遂げるであろう歴史を作った場合、彼は否定するのが非常に難しくなる」と主張。
「ちょうど2022年にオオタニが打者として34本塁打、.875 OPSをマークしつつ、投手として166イニングを投げ、防御率2.33をマークしながらも、ア・リーグでは62本塁打のシーズンを送ったアーロン・ジャッジを否定するのが難しかったように」と例を上げた。