【2024年のEC業界予測】景況感は「厳しい」。押さえておきたい“警戒ポイント”と対策まとめ
また、雨具の企画・販売を手がけるカジメイクも、新宿マルイ本館に商品を展示する「売らない店」に1年間出店し、自社サイトへの登録者を5割増やし、ネットでは5000円前後でしか売れなかった雨具が、実店舗での試着で軽さを実感したことから、7000円前後の商品も売れるようになったという。
□ 店舗とECの両軸で囲い込む事業者が増加中 最近ではSNSやGoogleビジネスプロフィールから実店舗に誘導し、スタッフの接客力で顧客との距離を縮めてLINEに登録。その後、TikToKやライブコマースを通じて、商品やネットショップに対してお客の熱量を上げて、実店舗とネットショップの両方で、定期的に商品を購入してもらう手法を取り入れるネットショップが増えている。 Eコマース市場がパワーゲーム化しつつあるなか、年々、中小規模のネットショップが売り上げを作ることが難しくなってきている。そのようななかで、顧客獲得コストを抑えて、なおかつファン客を作る仕組みとして、OMO戦略の注目度は高まっていくと予想する。
2024年は「商品力」「売り方」の工夫で商機あり
このように、2024年は厳しい年になることが予想されるものの、商品力と売り方を工夫すればまだまだ売り上げを伸ばすチャンスはある。コロナが明けてからEコマースのトレンドも大きく変わり、マーケティングをこねくり回す手法から、リアルとネットを融合させたお客との“接近戦”が主流になりつつある。 折しも2024年は3連休が多いことから、お客とのリアルの場で距離を縮めるチャンスは例年よりも多いと言える。従来のネットショップの売り方にとらわれるのか、それとも、他社が真似できないような売り方にチャレンジするのかは、経営者の判断に委ねられる1年になる。
経営計画で最も大切なことは、「予測を当てる」ことではなく「計画を立てる」ことである。その計画を実行することで、予測が当たった時には自分のビジネススキルに自信を持ち、一方で、予測が外れた時は、いち早く経営計画を軌道修正することが、変化の激しいEコマース業界で生き残るための大切な術となる。
自分の業界のことを何も予想せず、行き当たりばったりの経営をするほどリスクが高いことはなく、不確定なことが増える昨今の社会情勢を考えると、なおさらネットショップ運営には「予測力」が問われるのではないかと思っている。 私が17年間販売を続けている「予測カレンダー」では、Eコマース業界の他にも、SEOやショート動画の最新情報を100ページ以上のレポートでまとめているので、興味のある人はぜひご一読してもらいたい。