『光る君へ』双寿丸を自宅に招く賢子に視聴者最注目 第40話画面注視データを分析
■塩野瑛久に賛辞の声「本当に当たり役」 このシーンは、優雅なたたずまいで物語中盤を彩った一条天皇の最期に、視聴者の注目が集まったと考えられる。 花山天皇(本郷奏多)が寛和の変により、わずか2年足らずで退位することとなり、一条天皇はわずか7歳で即位した。エキセントリックな描写が多かった花山天皇に比べて、繊細で理知的なそのたたずまいは、回を重ねるごとに多くの視聴者を魅了してきた。その在位期間は先々代・円融天皇(坂東巳之助)が15年、先代・花山天皇が2年だったのに比べて25年間という長いものだった。人生のほとんどを内裏にささげたと言える。 ネットには「ままならないことが多くても、高貴さを失わなかったのはすごい」「最後まで気高く、ご立派でした」「一条天皇、本当に素敵でした」と、麗しい帝の崩御を惜しむコメントが多く寄せられている。また、「美しすぎる一条天皇、塩野さんにぴったりの役でした」「塩野瑛久さんの一条天皇は本当に当たり役でした」といった、塩野瑛久への称賛も集まっている。今後しばらくは一条天皇のパブリックイメージは塩野となるのではないだろうか(この時代がドラマとして描かれることは少ないので、大半の登場人物がそうなる気もするが…)。 作中ではいきなり体調を崩した一条天皇だったが、史実では幼い頃から病弱だったようだ。都で感染症が流行した際は一条天皇も発病していた。 また、劇中では辞世の歌が最後まで詠まれていなかった。道長の記した『御堂関白記』によると「露の身の 風の宿りに 君をおきて 塵を出でぬる ことをこそ思へ」とされ、残される彰子に宛てた歌とされている。しかし藤原行成の記した『権記』によると「露の身の 風の宿りに 君をおきて 塵を出でぬる ことぞ悲しき」とされ、こちらは先に逝った皇后・藤原定子を想って詠まれたと言われている。今回のタイトル、「君を置きて」の君は誰を指していたのか、塩野は自分の中に正解はあるが、視聴者にゆだねたいとコメントを残している。