『光る君へ』双寿丸を自宅に招く賢子に視聴者最注目 第40話画面注視データを分析
■まひろと直秀の関係に重ねた視聴者が続出 注目された理由は、賢子と双寿丸の関係を、まひろと直秀(毎熊克哉)の関係に重ねた視聴者が画面を注視したと考えられる。 市井では散楽が行われ、人々が興じる様子は物語の最序盤を思い出させる。そして賢子と双寿丸の突然の出会いは、若き日のまひろと直秀の出会いを彷彿とされる出来事だった。X(Twitter)には、「昔のまひろのような賢子と、直秀のような双寿丸の姿がリフレインを感じさせる」「賢子ちゃんはまひろより負けん気が強すぎる」「賢子が若かりし頃のまひろと同じ着物を着て乙丸を連れて、悪っぽい男子と仲良くしているの泣いちゃいそう」といった投稿が見られた。悲劇的な別れを迎えたまひろと直秀だが、賢子と双寿丸の関係はいったいこの先どうなるのだろうか。 ドラマオリジナルキャラクターの双寿丸は、れっきとした武士のようだ。直秀の時のような悲劇の結末とならなければよいのだが…。双寿丸が仕えている平為賢は、藤原実資(ロバート・秋山竜次)に仕えていたとされる平維幹の四男。肥前伊佐氏や薩摩平氏の祖先と言われている。平安時代において武士は朝廷や貴族に仕え、殺生を生業とするため社会では軽んじられていた。治安維持や警護、貴族が自分でやりたくないような汚れ仕事が主な業務だ。平安時代の武士の実態は、2012年大河ドラマ『平清盛』で詳しく描かれている。地位は低く、維幹・為賢父子ですら従五位下だった。 しかし、平安時代後期になると貴族同士の争いや地方の反乱が増え、軍事的実力をもつ武士の力が必要とされ、その地位も徐々に向上していった。そして平家や源氏という軍事貴族が台頭してくることになるのだ。
残る力をふり絞って辞世の歌を…一条天皇が崩御
2番目に注目されたのは20時38分で、注目度80.1%。一条天皇(塩野瑛久)が崩御するシーンだ。 夕闇の中、僧たちの読経が響く。公卿たちの見守る御簾の向こうでは、剃髪し出家した一条天皇が床に伏せっていた。傍らには妻である中宮・藤原彰子(見上愛)の姿がある。一条天皇が何か言いたそうに弱々しく口を開くと、彰子が瞬時に反応した。左大臣・藤原道長(柄本佑)と権中納言・藤原行成(渡辺大知)も視線を向けた。「露の身の…」一条天皇はわずかに残る力をふり絞って辞世の歌を詠みあげようとしているのが分かった。「か…風の宿りに…」見守る彰子に懸命に手を伸ばす。彰子は両手で握り返した。「君を置きて…」かすかな笑みを浮かべる夫に、涙を流す彰子。「お上!」「塵を出でぬることを…」「お上! お上!」一条天皇が意識を失うと、彰子の泣き声だけが闇夜に響いた。そして翌日、一条天皇は崩御した。 行成は涙を流しながら、道長は無表情に、自身の日記に一条天皇の崩御を記した。その日の夜、彰子は鈍色の単衣をまとい、また涙を流した。まひろも彰子にならい、鈍色の単衣をまとってそばに控えた。まひろには彰子にかけるべき言葉が見つからなかった。