「辞めることになったから」川崎F・鬼木達50歳が息子に“監督退任”を伝えた日「顔を見合って号泣です(笑)」番記者が初めて聞いた“家族の話”
“鬼木監督の8年間”で初めて聞いた「家族の話」
振り返ってみると、8年間にわたる囲み取材で、鬼木監督に尋ねたのはピッチのことが中心だった。次の試合に向けた取材なので当然と言えば当然なのだが、たまに雑談になることはあっても、鬼木監督自身のことを聞く程度で、家族に関する話題はほとんど質問した記憶がない。 こちらもわざわざ触れにいかなかったという背景もある。人によっては、踏み込んでほしくない領域である可能性もあるからだ。ただ、退任が決まり、その際の家族の反応が知りたくて思い切って尋ねてみると、拍子抜けするほどざっくばらんに話してくれた。もっと前から聞いておけばよかった、と後悔したぐらいである。 クラブに多くの喜びをもたらしてくれた鬼木監督が、慣れ親しんだホームスタジアムで指揮を執るラストマッチまでのカウントダウンは始まっている。残る公式戦はJリーグ最終節のみとなった。そこには家族も駆けつける予定だ。 「退任が決まってからは、(等々力に)『来たい』と言ってます。それこそ今はラストスパートのように来ていますね(笑)」 就任当初は青年監督の面影を残していた指揮官も、今年50歳となった。 この8年間、チームのために全てを注いできたと言っても言い過ぎではないだろう。それを支えてくれた家族という一番のサポーターが見守る中で指揮を執るゲームは、監督としても、父親としても、特別な時間となるに違いない。
(「JリーグPRESS」いしかわごう = 文)
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