キリアン・エムバペの契約・年俸・純資産まとめ|彼の移籍によってPSGが大金を節約できるワケ
エムバペの純資産
『フォーブス』によると、2023年のエムバペの純資産は1億2000万ドル(約180億円/1ドル=150円換算)であり、アスリート長者番付では3位だった。 世界最高のサッカー選手の1人として、エムバペはナイキやルイ・ヴィトン、ウブロなどと商業契約を結び、2020年には初めてFIFAゲームシリーズ(現EAスポーツFC)のカバースターにも選出された。
エムバペの移籍金:PSGはいくら払った?
PSGは、2017年にリーグ・アンのライバルであるモナコからエムバペを獲得。その際の移籍金は1億8000万ユーロ(約288億円)であり、その直前にバルセロナから加入したネイマールの2億2200万ユーロ(約355億2000万円)に次いで史上2番目に大きな移籍となった。 エムバペの現在の契約では全ての要素を含めると年俸2億ユーロ(約320億円)に上り、計7年間の在籍中にPSGは6億ユーロ(約960億円)以上を支払った。
エムバペのフリー移籍でPSGが大金を節約できるワケ
エムバペは昨夏、サウジアラビアのアル・ヒラルから届いた移籍金3億ユーロ(約480億円)という世界記録のオファーを断った。しかし、PSGは今夏彼がフリーで出ていくのを見送ることになる。 それはクラブにとって大きな痛手であるように思われるが、彼のフリー移籍でPSGは大金を節約できるだろう。 もしエムバペが延長オプションを行使していたら、PSGはあと1年間彼の多額の年俸に加え、クラブや彼個人の功績に応じたボーナスを支払うことになる。しかし彼が去ることを決めた今、それらを帳簿上から消すことができるのだ。 延長オプションを行使するかどうかはさておき、2023年8月時点でPSGに残留していればエムバペは少なくとも6000万ユーロ(約96億円)のロイヤリティボーナスを受け取るはずだった。しかしながら、フランスでの報道によれば、彼はクラブに対する善意の証として、また2024年6月の移籍を少しでも容易にするため、このボーナスを放棄したという。 エムバペに支払われるはずだった実際のボーナスの総額については論争が巻き起こっている。『RMCスポーツ』によれば、その額は8000万ユーロ(約128億円)近くまで上るというが、正確な金額はともかく、彼が契約満了で退団することでPSGは多額の費用を節約できることになる。 実際、PSGの計画は、万が一エムバペが残留を望まなくなった場合でも財政的にカバーできるよう準備されていたように思われる。ロイヤリティボーナスの放棄に加え、彼の年俸やその他のボーナスが浮いたということは、移籍金がないとしても、2024年夏の移籍市場で十分な補強ができるだろう。 2月17日、この件についてもう少しはっきりしたことが明らかになった。『アスレティック』によると、昨夏にエムバペが契約を延長しないことが判明しトップチームから転落した後、PSGと本人の間で厳格な交渉が行われていたという。その結果、エムバペがフリー移籍でクラブを去ることになった場合、何らかの形で補償をするといういくつかの複雑な取り決めが成立したようだ。具体的にどうなるかはまだ分からないが、同メディアはこれらの取り決めに法的拘束力があると述べている。 PSGがエムバペの残留を望んでいたことは間違いない。しかし、彼に支払うはずだった多額の費用を節約することで、ルイス・エンリケ率いるこのクラブはスター選手よりも総合力を優先した新たな一歩を踏み出すチャンスを得るだろう。
Joe Wright、山下晴輝 Haruki Yamashita