「発酵している」のと「腐敗している」のは何が違うの?発酵食品のすごさを第一人者が解説
発酵食品が体に良いと言われる理由は?
微生物が作り出す栄養成分をそのまま取り入れられる、究極の自然食品だから。 発酵食品がほかの食品と違う点は、微生物という「生命体」のパワーを体に取り込めるということ。つまり、化学調味料などの添加物を含まない、天然のおいしさが詰まった自然食品なのです。発酵による微生物の働きによって、左記のような健康や美容への効果が期待できます。また、発酵する過程で原料であるたんぱく質やでんぷんなどが分解されて分子が小さくなり、栄養がスムーズに体内に吸収されやすくなるのも、体にいいとされる理由の1つです。 ●発酵食品の健康・美容効果 ・免疫機能を活性化 腸は体内で最も免疫細胞が存在する場所。最近の研究で、乳酸菌や麹菌などの菌体は、小腸壁の近くを通る際に、免疫細胞を活性化させる指令を出していくことがわかっています。 ・代謝の働きがアップ 納豆や麹、甘酒などに多く含まれているビタミンB群には、糖やたんぱく質、脂質の代謝を促す作用があります。代謝の働きが良くなることで、太りにくい体になります。 ・若々しさをサポート 老化を防ぐには抗酸化物質の摂取が大切。みそやしょうゆに含まれる「メラノイジン」、赤ワインに含まれる「ポリフェノール」には抗酸化作用があり、アンチエイジング効果が期待できます。 ・血液がサラサラに 納豆に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」には、血栓をつくりにくくし、血流を良くする効果が。みそなど大豆系の発酵食品に含まれる「イソフラボン」は、動脈硬化の予防に役立ちます。 ※発酵食品の種類によって、含まれる栄養素が異なるため、すべてに共通しているわけではありません。
発酵食品の効果的な取り入れ方は?
大切なのは毎日発酵食品を取り続けること!納豆なら1日1パック、みそ汁なら1日1~2杯が目安。 発酵食品は、1回食べただけですぐに効果が表れるわけではありません。体内の善玉菌の働きを活発にするためには、発酵食品を毎日取ることが大事。日常的に食べやすい納豆なら1日1パック程度、みそ汁なら1日1~2杯を目安にして。発酵食品同士を組み合わせて食べるとさらに効果的です。例えば、納豆にキムチを混ぜた物や、甘酒とヨーグルトを混ぜた物は、腸活の最強コンビ!また、腸の善玉菌のエサとなる食物繊維が多く含まれる食品と一緒に取るのもおすすめ。「継続は力なり」です。