東大生からクレームが続出。授業で「あの~、えっと~」を連発する教授たち。学生たちが阿鼻叫喚しても改善されない理由とは?
教授はどうするべきか
スライドを元に台本を作り、それを朗読すればよい。授業中に学生が質問をすることはないので、録音したものを流してもいいでしょう。教授はスライドをめくるだけでいい。 推敲をするでしょうから台本には無駄がありません。学生の理解も促進されます。 こんな出来事がありました。 △△の教授が支離滅裂な説明を1時間続けた後、5分間の休憩を取りました。その瞬間、ぼくの周囲に座っていた学生3人が同時に言いました。 「わっかんね、わっかんね」「わかんない、」「意味がわからない」 そんな授業は初めてでした。ぼくはその授業の内容をすでに習得していたので、教授の何が悪いか分かります。 前提となる知識を説明せずに少し進んだ話をしたため、学生たちの理解が追いついていなかったのです。 教授の説明には、掛け算を知らない人に2²とか3⁴を説明するような、乱暴さがありました。 授業中にその教授はこんなことを言っていました。 「ミクロ経済学の先生の話は分かりやすいで有名なんですよ。私は見たことないんですけど」 いますぐ見てほしい。そして自分の稚拙さを痛感し、改善してほしい。 多くの仕事は組織内で評価されます。その評価が低ければ、改善を促されるか、組織から排除されます。大学の授業ではそのような作用が働きません。教授を雇用する大学は、教授の授業の程度を把握していないし、学生には教授を評価する方法がない。 学期末にアンケートがあるけれど、説明が下手であると訴える学生は少ないでしょう。教授の説明は下手であることの方が多いし、わざわざアンケートに書くようなことではないから。 13回の授業がすべて終わってからアンケートに書いて、その後改善されても、その恩恵を受けることができません。 それだったら他人を傷つけない選択をする方が精神衛生上望ましい。 様々な要因が折り重なって、話が下手な教授は、下手なまま授業を続けることになります。 △△の教授は、東大の学生だったころ、公認会計士の試験に合格し、大学院在籍時には会計士試験の予備校で講義を行っていたそうです。十中八九、その予備校の合格率は下がったでしょう。 ▶つづきの【後編】では、一方、同じ東大の教授でも、どうしてミクロ経済学の教授は話が上手いのでしょうか? 理由は、先生が語ったエピソードにあった…という内容をお届けします。
元国税芸人 さんきゅう倉田