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センチュリー21 NYC、TikTok Shopでのライブストリームショッピングに進出
ライブストリームショッピング企業のショップショップス(ShopShops)は、これまで自社のグローバルアプリで米国拠点のビジネスを構築してきたが、6月6日、TikTok Shopでサービスを開始する。ショップショップスは、TikTokで、パンデミック中に破産しその後事業再建に取り組んでいるオフプライスのデザイナーストアであるセンチュリー21 NYC(Century 21 NYC)の製品を独占的に販売する。 TikTokのフォロワーは、ショップショップスは1万4000人、センチュリー21は6800人だ。6月6日はセンチュリー21のTikTok Shopのデビュー日でもある。 ショップショップスとセンチュリー21は2018年に初めて提携し、ショップショップスのアプリとセンチュリー21のインスタグラムアカウントで毎週ライブストリームを配信した。センチュリー21 NYCのCOOであるラリー・メンツァー氏によると、ショップショップスは当時、中国の消費者にデザイナー商品を販売することに主に注力していたという。 しかし現在では事業はさらにグローバルに拡大して、さらに多くのファッションカテゴリーのオークションや販売などがを展開している。ショップショップスによると、同社にはクロエ(Chloe)、フェンディ(Fendi)、ロエベ(Loewe)を含む1500のファッション小売パートナーがあるという。 メンツァー氏は、センチュリー21は2023年5月時点で「近いうちに」稼働する予定だったeコマースサイトの再ローンチが「ITデータの問題」により引き続き保留されることになったため、ことしこのパートナーシップを復活させることにしたと述べた。 センチュリー21は現在、今秋に新しいERPシステムを導入する予定であるが、従業員がオンライン販売に取り組む前にこのシステムを「理解するのには時間がかかるだろう」と語った。それまでのあいだ、ライブストリーミングにより多くの買い物客にリーチできるようになる。 「パンデミック以前、当社はC21stores.comを通じて世界的に展開しており、13店舗があった」とメンツァー氏は語った。「現在、店舗はニューヨークの1店だけだ。デザイナーブランドを素晴らしい価格で再び世界中の人々に提供したい。消費者の前に存在して、デジタル収益と認知度を推進することが重要だ。認知度は最終的にトラフィックとなり、最終的には顧客になる」。 同氏によると、顧客はソーシャルメディアや店内コメントを通じてセンチュリー21のeコマースサイトに対する要望を伝えているという。さらに、顧客のEメールのクリックスルー率と開封率の高さにより需要が示されている。 ショップショップスとの提携を確実に成功に導くには、センチュリー21の販売チームが適切な商品を店内で確実に入手できるようにする必要があるとメンツァー氏は述べ、「店内での売れ筋商品群はショップショップスのライブストリームイベントで売れている品揃えとは異なっており、またTikTokで人気のものとも異なると想定している。異なるオーディエンスにリーチすることになるだろう。これは当社にとってまったく新しい収益チャネルだ」と付け加えた。 センチュリー21のマーケティングチームも、ソーシャル投稿やEメール、試着室の看板でライブストリームを宣伝して、このパートナーシップに貢献する予定だ。 一方、ショップショップスはオンエアタレントを提供する。ホスト兼インフルエンサーが週に3~5回センチュリー21のローワーマンハッタン店に来店して、ライブショーを行う。また、ショップショップスは販売された商品の梱包と発送を管理する。 メンツァー氏は次のように語った。「ライブストリーミングがeコマースに取って代わるというのはいい過ぎな感じがする。または、そうなるとしてもかなり先の話になるだろう。だが、ライブストリーミングは間違いなく補完的だ。直接話しかけてくれる実際の人物がいて、見たいと思うものを見せてくれ、すべての質問に答えてくれ、試着もさせてもらえる。これはウィジェットやチャットボットではない」。 TikTok Shopに対する具体的な期待について、メンツァー氏は、「当社は発見モードにある。どの程度の規模になるかはわからないが、大きな機会と捉えている。したがって、この機会を追求し、サポートし、ショップショップスが大規模に拡大するにつれて同社も進んでいく」と述べた。 [原文:Luxury Briefing: Why shoppable videos and livestreams will define the next era of luxury e-commerce] Jill Manoff(翻訳:ぬえよしこ、編集:坂本凪沙)
編集部