牛丼、天丼、親子丼。「丼」の文字にはどんな意味がある?/子どもに話したい雑学(3)
「子どもの好奇心を高めたい」 「わが子に尊敬されたい!」 「日々のコミュニケーションの中でいろんなことを教えてあげたい」 【写真】「ざるそば」のほうが高級?「もりそば」との違いとは そんな時に役立つのが、教養系雑学。親から子へ、この世の中をより深く知るための知識や知恵を日々のコミュニケーションを通じて伝えていくのは、昔も今も変わらず、大事なことです。 学校では教わらない“タメになるうんちく”を、子どもとの会話の中でさりげなく話してみましょう。コミュニケーションをとる際に必要な「教養」になるとともに、きっと子ども自身の「好奇心」をも刺激するはずです! ※本記事は多湖 輝監修の書籍『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』から一部抜粋・編集しました。 ■どんぶり物の「丼」って何のこと? 日本人はどんぶり物が大好物。牛丼や天丼、親子丼、海鮮丼など、さまざまな丼が人気を博している。 これらの料理につく「丼(どんぶり)」の文字は、どういう意味なのだろうか。その由来は江戸初期の寛文年間(1661~73)にまでさかのぼる。 当時は食事を一杯ずつ鉢に盛り切りで売る「慳貪屋(けんどんや)」という店があった。そこで出される「慳貪ぶりの鉢」が「どんぶり」と略され、やがて鉢盛の料理全般を指すようになった。 「丼」という漢字は井戸を意味し、「井」の本来の字。井は枠を、真ん中の点は釣瓶(つるべ)やわいた水を表す。中国では「トン(タン)」と読み、井戸に物を投げ込んだ時の「ドブン」という水音に由来しているそうだ。「どんぶり」を漢字にあてる際、その水音とどんぶりの発音が似ていて、字の形もピッタリだったため、「丼」の字が採用されたという。 こうして丼の発祥の店となった「慳貪屋」だが、その店名は、客に対して「つっけんどん(突慳貪)」だということからつけられた。 「慳」は物惜しみすること、「貪」はむさぼるという意味で、ケチで欲深いことを「慳貪」という。しかし、あまりにも露骨なので、「見頓屋」という字が当てられることもあったようだ。そんな店なら潰れてしまいそうなものだが、おかわりなし、掛け値なしの安直さが受けて、江戸中期の寛政年間(1789~1801)頃まで江戸で大繁盛したという。 監修=多湖 輝/『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』より