「プレイヤー評価だけで組織で突き抜けられる?」幅を広げたい中堅の焦りを田端信太郎さんに相談した
「お前はしょせんバントがお似合いなんだよ!!!!!」
田端さん: いや、何よそれ。 じゃあ「さすがって言わなくていいんで給料上げてください」って言えばいいんじゃないの?(笑) 天野: まあまあまあ… 田端さん: 俺から言わせれば、「さすが」って言われてるけど、本当にその仕事が超すごいのか?って思っちゃうけどね。 動画は100万再生、記事は100万PVぐらい行ってんのかと。 誰がどう見てもすごい成果が出てたら、社内でさすがって言われてるレベルじゃないでしょ。 天野: はい…そうですね。 田端さん: せいぜい“期待値に対してミートしました”っていう成果だから、バント職人がサイン通りにバントしたっていう程度の評価なんでしょ。 たまには、バントのサインを無視してでも逆転満塁ホームランを打ってくるような仕事をしたら、「さすがです」なんて評価ではないわけじゃん。 俺、『R25』のOBだからあえて言わせてもらうけど、今『新R25』の事業が首位を独走してるわけでもないじゃん。 そんなときに、上から言われた通りバントしてて本当にいいの? サイン無視してホームランを打って、「勝つためにやってるんだから問題ないですよね?」ってベンチに向かって言い放つぐらいのことをやらなきゃいけないんじゃないの? 天野: それはおっしゃる通りですね… 田端さん: あるいは、自分なら何ができるかを提案する。 「僕をこう使ってくれれば勝てますよ」と、その勝ち方までセットで言わないかぎり、使われ方なんて変わらないですよ。 「バントばっかりやらされて、そろそろ飽きてきたんですけど…」とか言ってても、首脳陣からしたら、「うるせえバカ! お前はしょせんバントがお似合いなんだよ!」「お前に打たせて、それで負けたら責任取れんのかよ!?」って思ってますよ。 そのときに、「ダメだったらクビでいいんで、3試合だけバント職人じゃなくて、先発で使ってもらえませんか?」って啖呵切るぐらいじゃないとダメ。 30代でバント職人枠から脱皮したいんだったら、リスクを取って成果を出しにいかないと厳しいと思いますね。 天野: いや~~~、そうですよね… 田端さん: 勝利という“本当の目的”を達成するためだったら、プレイヤーとかマネージャーとか、どっちだっていいじゃんと思うけどね。 俺、WBCのときにすごいなと思ったことがあって…日本代表の選手たちに、ダルビッシュが変化球の投げ方を教えたんだと。 それって、勝利のという目標のために、プレーヤーとしての自分の強みを生かしてチーム全体に還元しようとしたわけじゃん。 天野: めちゃくちゃカッコいい話ですよね。 田端さん: そのときに、教えるやつがダルビッシュだからみんな「教えてください」って耳を傾けたわけよ。 よく分からないやつがいきなり「ツーシームの握り方は…」とか言っても「知らねえよ」って感じじゃん。 何が言いたいかというと、プレイヤーとマネージャーの能力がゼロサムということは全然ないんですよ。プレイヤーとして一流だからこそ、全体への影響力を持てる。 ダルビッシュに対して、監督はそれを期待してなかったかもしれない。 単にいちピッチャーとして呼んだのかもしれないけど、「まわりにいい影響を与える」のを勝手にやるぶんにはウェルカムでしょう。それは立派なマネージャーですよ。 なのに、なんか、お役所のキャリア制度とか昔の門閥制度みたいに「この枠にハメられたら抜け出せない」とか言ってて… 勝手にやればいいのにと思っちゃうけど。