吠えて、黙り、うなり、吠える。~垣永、鶴川、稲垣、細木。リーグワンの熱戦より~
同24分。こんどはサンゴリアスがセットピースでP獲得。右プロップの細木康太郎が師匠筋の垣永真之介よろしく吠えに吠えた。あんまり吠えて目の前のレフェリーの存在は視界に消えて、つい肩がぶつかった。帝京大学主将時代、破壊的スクラムで対戦校の青春を悔し涙に終わらせた24歳の押す力は確かだ。
感情の爆発。感情の制御。いずれもスポーツにおける大切な要素である。それらの中間をフラフラすると負ける。吠えて正しい。笑わずにうなって正しい。そして鶴川達彦の形容難儀の静寂もまた正しく、あの形相を言葉でいかに表現するか、しばらく語彙の探索に努めよう。いま思いついたのは「難手術を無事に終えた瞬間の心臓外科医のような」。ダメだ。長くてありきたり。組み直します。
藤島 大