名刺に写真、人間関係も「捨てる」という選択を…片付けのプロが教える人生最期の「大掃除」法
片付けを楽しく
家族と撮った思い出の写真の束も、名残惜しいが処分しよう。ただし、こちらもすべて捨ててしまうのは間違いだ。 「可能なら家族で集まって古いアルバムをめくり、記念のものを残して、アルバム1冊に収まる程度にピックアップするのが理想です。家族の歴史を振り返るいい機会にもなると思います」(西崎氏) 家族と語らいながら整理をする。これなら片付けも楽しくできそうだ。 もったいないと思って、なかなか捨てられない衣服も、衣替えが終わったタイミングが片付けのチャンス。夏服を一気に捨てるいい機会だ。 リポーターとして活躍し、現在は一般社団法人終活協議会理事も務める菊田あや子氏が実践方法をこう指南する。 「夏物の衣類で、今年一度も着なかったものは思い切って捨ててしまいましょう。来年着る可能性は、ほぼありません。現役時代のスーツやジャケットもデザインは時代遅れだし、サイズも合わなくなっているはずなので、取っておく必要はありません。『高かったからもったいない』というのは、単なる執着。むしろ、ユニクロなどで新しいものを購入したほうが軽くて機能的で、着ていてもかっこいいです」 後ろ向きになる必要はない。新しくておしゃれなものを手に入れるいい機会と捉え直せば、片付けも楽しくなる。 食器も来客用のものや人からもらった高価なものなど、箱に入っているようなものは買い取り業者に引き取ってもらうことがおすすめだ。 「日本の食器はものがいいから、タイなどの東南アジアで最近は人気を集めているようです。たしかに海外にリユース品を持ち出す業者に売っても、二束三文にしかなりません。しかし、海外の見知らぬ誰かに使ってもらえるとなれば、罪悪感を覚えず、むしろ前向きな気持ちで手放せるはずです」(菊田氏) 不要だが、処分に費用がかかるようなものは踏ん切りがつかないこともあるだろう。タンスや大きな棚、家電などは不用品回収業者が引き取ってくれるが、料金をめぐるトラブルも多発しているので、82ページの記事を参考にしてほしい。