「LINEの返事がそっけない!」 何に対してもキレる妻の表に出せない本音
「相手を受け止める」リアクションで関係が変わりだす
もう一つ、社長と部下がデコ同士だった例を紹介しましょう。 社長からの依頼でコンサルに入った会社で、社長と直属の部下のBさんがしょっちゅう言い争いをしています。ひと言でいうと、「雰囲気が悪い会社」でした。 社長からは「給料を払っているのに、いつも自分が否定されているように感じる。どうか教育してほしい」と言われましたが、部下のBさんのほうに話を聞くと、「何をしても否定される。話を聞きもしないで論破してくる」と言います。 Bさんから、「常に戦っている感じになってしまうので、社長との効果的なコミュニケーションのやり方を教えてください」と頼まれました。 私は「ものは試しなんですけど、社長が何か言ったら、とにかく最初に"はい、なるほど"と納得したふりだけしてください」と提案しました。これは、「あなたを受け止めています」というストロークを返すことを意味します。いったん受け止めたら、そのあとは思いっきり反論してかまわない、ただその前に受け止める、という作戦です。 実は、社長のほうにもBさんと話をするときに、いきなり畳みかけるように話をしないで、一拍置いて「なるほど」と言ってみてください、と提案していました。お互いにそのルールを徹底してもらったのです。 そうしたら、どうなったと思いますか。急に関係が変わったのです。まず、「急に耳が聞こえるようになった」と言いました。どういうことかというと、相手の話を一拍置いて受け止めるルールにした途端、相手の話を咀そ嚼しゃくすることができるようになったのです。「なるほど」と言うだけで、話しているほうは攻撃されていないと感じるため、話しやすくなります。 今まで二人はデコ同士でお互いに引くことができませんでした。だから、同じパターンを繰り返していたのです。でも、相手の話をいったん受け止めることで、展開が変わり、いい方向につながりました。いつものパターンと違うやり方はなんだろう?と模索してみることも、大切なコミュニケーションの方法です。