奥田民生に「運に味方してもらう方法」を聞いたらすごい答えが返ってきた
自分は将来どうなるだろう……。そんな不安を持つ人は少なくないのではないだろうか。「いつまで第一線でいられるか」「いつまで他人と競えばいいのか」「いまいる友達は60歳になっても友達か」「気力体力はどうなるか」「お金は?」「いまのうちにやるべきことは?」など疑問がつきない。そこで本連載では、2025年に60歳を迎える奥田民生の10年ぶりの本『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』の中から、民生流の「心の持ち方、生きるヒント」を紹介する。「力まず自然体でカッコいい大人」代表の奥田民生は、これまでどのように考え、どのように働き、どのように周りとの関係を築いてきたのか。その言葉を見ていこう。(構成/ダイヤモンド社・石塚理恵子) ● 仕事のトラブルがあったらどうするか? この歳になると仕事上のトラブルなんていくらでもある。 ただ俺はそれをトラブルだと感じたことはあまりない。 「想定外のトラブル」なんてものがあるとしたら、スタッフがいきなり死んでライブができなくなるとか(まあ、それもこれだけ長くやっていると、あり得ないことじゃないけど)そのレベルになるけれど、ありがたいことにスタッフの誰も死んでいないし、トラブルと呼べるトラブルはない。 ● 機材がない!? ただ前に一度、それなりのトラブルに見舞われたことはある。 名古屋でライブという日の朝、機材を乗せたトラックが現場に来ていないことがあったのだ。 会場に機材を搬入する時間、そのトラックはまだ東京にいた。 スタッフが日付を間違えたらしかった。 ● ミスを責めてもなにも起きない 周りのスタッフはとんでもなくバタついていたけど、俺は「これはライブは無理だな~」と、他人事のように思っていた。 その日のバンドメンバーもニヤニヤしていた。 こういうときは別に「誰のせい」とか「誰が悪い」とか、そんなことは思わない。 起きてしまったことはしょうがないし、犯人捜しなんかしたって意味はない。 一応、経緯は聞いたけど、できないものはできないし怒ったってしょうがない。 ただこのときは、場所が名古屋だったのが幸いして、機材を乗せたトラックが15時半には到着して、ライブ開始に間に合った。 「なんだ、ライブできるんじゃん」って、俺たちはいつもと変わらずそのまま普通にライブをした。 ● 腹をくくって仕事する人のもとに運はくる 仕事上のトラブルなんて大小問わず、1つや2つは起こり得る。 だからこういうときに本当にライブができなくなっても、最悪、俺が風邪を引いたことにするだとか、ABEDONが「間違えてゴルフに行ってました!」と言うだとか、言い訳のしようはあるし、マイクが1本あればトークショーだってできるわけで、来てくれるみんなにはもちろん申し訳ないのだけれど、ライブは別日にやらせてもらう方法もある。 俺たちはそんな感じで自分のチームがすることにはいつも腹をくくっている。 ● 人は誰だってミスをする トラブルが起きても誰のせいでもないと思っているし、ミスしようと思ってミスするやつなんていないから、故意じゃなければ責めたってしょうがない。 配送会社に頼んでいたならワンチャン怒ったかもしれないけれど、仲間のミスなら俺はぜんぜん腹が立たない。 ● 運が味方する人とは? 俺を含め誰だって1つや2つのミスはする。 でもそのときはそのときで結構なんとかなるものだから、トラブルが起きたら「あいつのせいだ」「あいつが悪い」と名指しで責めるなんてことをする前に、状況を受け入れて自分ができることを考えればいいと思う。 そうすれば運が味方してくれるから、大概のことはなんとかなるのだ。 (本稿は奥田民生『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』からの抜粋記事です。)