【英国】英産業連盟、増税案に懸念 企業の採用削減や投資機会損失
英国産業連盟(CBI)のレイン・ニュートンスミス最高経営責任者(CEO)は25日、新年度予算案で盛り込まれた増税案に対して懸念を示し、「多くの企業が厳しい環境に置かれている中、さらに厳しくなる」と述べた。国民保険料の雇用主負担率や相続税の引き上げなどが採用意欲を低下させ、投資機会を損なわせるとしている。 リーブス財務相は10月、一部が企業への増税で賄われる700億ポンド近くの公共支出増を表明。最低賃金の引き上げや労働者の権利改革は労働組合などの支持を得ているが、経営者側は一度に複数の変更が重荷になるとして批判を強めている。スーパー大手セインズベリーや小売大手マークス・アンド・スペンサー(M&S)などは値上げの可能性を示唆。テスコやアマゾン・コムなどはリーブズ氏宛てに影響を憂う書簡を送った。 CBIが実施した調査では、回答した185社のほぼ3分の2が、予算案が英国への投資に打撃を与えると考えていることが判明。ニュートンスミス氏は「利益が減れば競争力も投資も落ち込み、成長も衰える」と指摘し、「こうした増税は二度と企業だけに向けられるべきではない」と述べた。同氏は、経済成長に向けた改革案もいくつか示した。 ガーディアンによると、政府はこれに対して代替案を示さず、当初案のまま可決を目指す方針とみられる。