世界最古の企業「勝ち残る資格と使命」…宮大工1400年の技守る
伝統文化の仕事、魅力発信を
「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録され、日本からの登録は23件となった。「歌舞伎」「文楽」「和食」など訪日客に人気の伝統文化が名を連ねるが、宮大工同様、担い手不足は深刻だ。 政府も「高齢化や後継者不足により、文化財保存技術断絶の危機を迎えている」と警戒感を強め、後継者の研修費用の補助制度などを設けているが、問題の解決にはほど遠い状況だ。
国立文楽劇場(大阪市)は、太夫、三味線、人形遣いの技芸員になるための研修を実施している。技芸員の6割近くがこの研修の出身者だ。ただ、2023年度は研修生がゼロで、24年度も2人にとどまる。 金剛組の育成塾からは、女性2人が宮大工になった。多田会長は「技術を極めたいという塾生が多い。女性に力仕事は難しいと思っていたが、きめ細かい仕事ぶりに親方たちが感心している」と話す。 待遇や職場環境を改善する。「職人は男の世界」といった既成概念を取り払い、広く人材を募る。何より伝統文化の仕事に携わる魅力を若者に理解してもらう活動が求められる。(船木)