井上尚弥「目に焼き付けて」来年は米国、サウジなど海外進出 日本開催イブ決戦「期待を超える試合を」
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ) 【写真】会見で自信がみなぎった表情を見せる井上尚弥 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者、井上尚弥(31)=大橋=が4日、IBF・WBO同級1位のサム・グッドマン(26)=オーストラリア=の挑戦を受ける防衛戦(24日、有明アリーナ)に向け、横浜市の大橋ジムで練習を公開した。尚弥はグッドマン戦を来年の海外進出に向けた重要な一戦と位置づけている。2025年は初戦が米国になる可能性や、海外での試合が増える可能性が高くなることを踏まえて、今後は貴重になってくるであろう母国でのファイトを、ライブ観戦することを呼びかけた。 サウジアラビア政府直轄のエンターテインメントイベント「リヤド・シーズン」と30億円(推定)のスポンサー契約を締結してからの初戦。尚弥は「2025年の新たな海外進出を考えているので、(今後は)海外での試合が多くなっていく。今回は大事な一戦だと思っている」と位置づけた。 大橋秀行会長は「来年はアメリカ、サウジアラビアという線が濃いのと、それが終われば皆が望む国内の大きな試合をやりたい」との見通しを示した。海外での試合が多くなれば、必然的に日本で見られる機会は減少する。大橋氏によれば、来年の初戦は米国が濃厚で、グッドマン戦後、半年は日本での試合がないことになる。そのため、尚弥は「今回のイブ決戦は、しっかりと会場で目に焼き付けてほしい」と訴えた。 グッドマンは19戦全勝の戦績を誇るとあって、「必ず無敗には意味がある。勝ちに徹するボクシングがうまい。そういう強みを持っている」と警戒は怠りない。対策の一環として、パリ五輪代表で、11月末のW杯ファイナルで57キロ級銀メダルを獲得した23歳の原田周大(専大)を招き、11月に4回、計20ラウンドのスパーリングを行った。 尚弥は「グッドマンにテンポ的にも似ているし、細かい技術を持っているのでお願いした。やり合うことが全然できたので、手応えはつかめたかな」と説明。来年の海外進出を前に、日本のファンに「ボクシングに詳しくないお客さんにはKOシーンをしっかりと届けたいし、ボクシングファンにも細かい技術戦を見せたい。皆さんの期待を超える試合を目指している」と口にし、最高のクリスマスプレゼントを贈る。