メディアECのKPIには何を設定すれば良い? 押さえておきたいポイント+事例で解説!
そうして得た一次情報や直接撮影してきた写真などを盛り込み、商品ページを作成しています。
また、商品ページだけでなく、サイト内に「生産者一覧」というカテゴリページが設けられており、そこではサイトで取り扱う商品の生産者がどのような人かを紹介するページをそれぞれ掲載しています。
顔が見えないECサイトで信頼性を向上させる工夫として、スタッフの顔出しや紹介コンテンツは増えてきていますが、商品を生産している人の紹介まで丁寧に行っている取り組みは、生産者の魅力を伝えるだけでなく、サイトを利用するユーザーにとっても信頼性や親近感がわく有益なコンテンツになります。 ■ (2) オウンドメディア「かごしまぐるりよみもの」での鹿児島の魅力を伝える情報発信
「単なる商品販売サイトではなく、個性的で魅力ある生産者の取り組みをもっと知ってもらいたい」という思いから、“鹿児島の魅力発信”というコンセプトのもと、情報発信を行っています。
県内各地の生産現場を訪れ、個性的で魅力ある生産者の取り組みを発掘し、商品販売を通じてその魅力や地域性を発信。鹿児島県をブランディングし、鹿児島全体の認知度向上と地域活性化をめざしています。 元々SNSで情報発信を行っていましたが、長文のコンテンツには向かない制約があり、鹿児島の魅力を十分伝えられないことから、「WordPress」を使ったオウンドメディア「かごしまぐるりよみもの」を立ち上げました。 「かごしまぐるりよみもの」では、以下のような工夫を行っています。 ・商品を直接PRする記事は作らない。商品を発売するタイミングで関連した情報コンテンツ発信し、理解を深めてもらえるようにしている ・記事の最後に執筆者の視点や想いを盛り込み、読者の気持ちを高められるよう心がけている ・スタッフの実体験コンテンツだけでなく、生産者やアンバサダーに寄稿コラムを書いてもらうなど、外部の人も巻き込んで独自のコンテンツを発信 ・「WordPress」のUIやページ構成を改修し、ECサイトとの連携を意識した回遊性の高いデザイン ・SEOも意識して、スモールキーワードを狙った記事作成を心がけている ・記事アップ時にはSNSでシェアするなど、別チャネルとも連動したコンテンツデリバリーを意識 このように、オウンドメディアを通じて鹿児島の魅力を幅広く独自コンテンツとして発信しながら、生産者や地域とつながり、SEO施策やSNSとの連携も意識してメディアを運営しています。 鹿児島県全体のブランディングと地域活性化をめざし、単なるECを超えた情報発信・コミュニケーションの場としてオウンドメディアを機能させている点や、独自コンテンツを作る際の熱量・協力者を増やしていく施策などは非常に参考になります。 ■ (3) フェーズごとに設定し運用しているKPI 今回のテーマである「メディアECのKPI」についても、「かごしまぐるり」さんは設定と活用に工夫を凝らしています。 メディアを立ち上げた当初は、社内でメディアコンテンツ運営への理解を深め、機運を高めることを最優先し、月間PV数ではなく月間の記事アップ数をKPIに設定したそうです。 立ち上げから半年が経過し、記事作成への習熟が進んだタイミングでPV数もKPIに追加。また「かごしまぐるり」さんは毎週定期的にミーティングを行い、KPIの進捗状況を社内でこまめに共有。 また、進捗の確認とともに記事ごとのPV数のデータを分析し、どの記事が読者に好まれているのかを把握。データ分析の結果を踏まえ、人気の高い記事の特徴を次の記事作成に生かすなど、PDCAサイクルを実践しています。 このように、「かごしまぐるり」さんはメディアECの立ち上げ当初からKPIを設定し、進捗管理を行うと共にこまめな社内共有なども行い、データやノウハウを蓄積していく体制を整備しています。そうした工夫を重ねていることから、ECサイトやメディアにおいて独自コンテンツを継続して発信できていることがうかがえます。