[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤
サビを研究し尽くしたBAN-ZIが開発したサビ取りケミカル
サビに対抗すると言っても、赤サビを不活性化する錆転換塗料のサビキラープロと、錆自体を取り除くサビトルキラーやサビタンキラーの原理は別。この2製品も成分や特性が異なり、それぞれに得意分野がある。ただどちらとも、性質を理解して使えばサビ取り効果が秀逸なのは確かなので、錆に悩むサンデーメカニックは活用すると良いだろう。
サビトルキラー:スプレーすれば赤サビが溶け出す即効性が魅力
鉄やステンレスのサビだけでなく、プラスチックやコンクリートに付着したサビ汁(サビ汚れ)にも反応するため、幅広いジャンルで効果を発揮する。スプレーすると秒単位で赤紫色に変色する反応の早さも特長で、目の前のサビを今すぐ落としたい時に好都合。すすぎ後は防錆処理を行うと良い。 クロームメッキのサビはメッキ表面の目に見えないクラックから浸入した水分が原因となって発生し、コンパウンドなどで物理的に磨いても取り除けない。サビトルキラーは成分中のチオグリコール酸塩がサビを溶かすため、表面のツブツブ感がなくなるのが特長。 サビ部分に確実に付着させるため、油汚れや泥汚れは事前に洗い落としておくことが重要だが、水分が残っているとサビトルキラーが定着せず流れてしまうので、しっかり拭き取ってからスプレーする。 独特の匂いとともに、サビに付着すると10~30秒ほどで赤紫色に変色が始まり、そのまま5~10分程度放置した後に水で洗い流す。 クロームメッキ被膜の奥から出てきたサビの痕跡は残るものの、メッキ自体の光沢は回復し、メッキの表面を指先でなぞってもサビが引っかかることはない。 一度で落ちきらない場合は、洗い流した水を拭き取った後に再度スプレーする。短時間で確実にサビに反応するのが最大の魅力だ。
サビタンキラー:根深いサビは漬け込み処理を。20倍希釈で繰り返し使えるエコタイプ
サビタンキラーは水やぬるま湯で20倍に希釈して使用する。製品が1Lなので、ガソリンタンク容量20Lまで1本で対応できる。 サビの程度が酷いからといって、水を減らして濃度をアップしてもサビ取り効果がアップするわけではない。一度でサビが落ちきらなかった場合は、20倍に希釈した溶液で再度サビ取りを行う。 ◆真っ赤なサビで固着しているポイントベースを漬け込んだところ、5時間ほどで赤サビが落ち、さらに5時間(合計10時間)でほぼ完全に地肌が露出した。この状態で浸透潤滑剤をスプレーしたところ、固着が解消してガバナーを分解することができた。使えそうには思えないパーツが再使用できるのは、エコにもつながる。 ◆サビ取りを促進するのに40~60℃のお湯で希釈して、反応中も保温状態を保つと効果的。サビトルキラーに比べると反応は穏やかで、このマフラーガードは5時間程度では変化は皆無だった。そのまま常温で12時間程度漬けたところサビが落ち、素地がはっきり露出した。サビが残った場合は水洗いしてから再度作業するが、連続して48時間以上漬けてはいけない。
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ヤングマシン編集部