「最後は僕がヒーローに」東福岡、薄氷のPK勝ちを導いた191センチの守護神【全国高校サッカー】
◆全国高校サッカー1回戦 東福岡0―0(PK5―3)尚志(29日、NACK5) 191センチの大型GK、東福岡の後藤洸太がPK戦で厚い壁となった。平岡道浩監督が「相手の守備が強く、最少失点差のゲームになる」と予想したとおり、両者が一歩も譲らず80分間では得点できず、PK戦での決着となった。 ■「自前で建てたんすごすぎる」長崎新スタにサポーター驚がく「かっこよすぎるぞ…唖然」【写真複数】 平岡監督は「うちには後藤の大きさがある。彼のゴールマウスの幅は(通常の)7・32メートルではなく、5か6メートルくらいに感じるはず。我慢して甘いボールに触れば(勝つ)可能性は高い」と自信を持っていた。 しかし、後藤は「練習でもPKを止めたことが少ないんで、正直PK戦になるなと思っていた」と当初は弱気だった。 2本目までは相手のキックする方向を読めず、逆に飛んでいた。しかし、この2本の失敗が後藤を目覚めさせた。「相手の蹴る方向に特徴があった。ルーティンを変えてプレッシャーをかけ、読み通りに思い切り飛ぼう」。3本目はわずかに手が届かなかった。そして4本目。左に飛ぶとドンピシャのタイミングでボールをはじいた。 5人全員がPKを成功させて勝利をつかむと、「僕がヒーローになると思っていた」という後藤が歓喜の輪に加わった。 2023年12月にコーチから昇格した平岡監督。選手権での初勝利に「相手のカウンター攻撃がすごくてワンプレー、ワンプレーが怖かった。きょうは生徒に感謝しかない。私にしっかり勝利を届けてくれた」と頭を下げていた。31日の2回戦は正智深谷(埼玉)と対戦。過去3度優勝を誇る「赤い彗星(すいせい)」が、頂点へ向けて好スタートを切った。(安田栄治)