「他社の最終面接で不採用」の学生は優遇する価値あり? 最終までたどり着く学生にしかない武器とは
「社内にて厳正な選考を行った結果、 誠に残念ですが、今回は採用を見送らせていただくことになりました。今後の活躍をお祈りしています」 【TOP20】人事担当者から見た「就職力ランキング」! 2位「横浜国立大学」、1位は? 就活ではこのような不採用通知のことを「お祈りメール」と呼ぶ。お祈りメールは筆記試験であっても1次面接でも、不採用の場合は同じように来るが、とりわけ最終面接を受けた上でのお祈りメールは当然ショックが大きい。ましてや第1志望の企業の最終面接に落ちてしまうと、もう就活を続ける気持ちすらなくなってしまうだろう。 しかし1次面接の不合格と最終面接での不合格は、同じ不採用という結果だが意味合いと価値は全く異なる。 現に最近では、最終面接で不採用となった就活生を集めたスカウト型のプラットフォーム「ABABA」というサービスも誕生している。学生が最終面接まで進んだ選考状況や不採用通知を登録することで企業側からスカウトされる仕組みだ。 企業側としては最終面接まで残った就活生のみをスカウトすることで、選考時間を短縮し、効率的に優秀な人材を獲得できるため、活用している企業も増えている。 「最終面接不合格」という結果を悔しがるだけではもったいない。むしろその経験と結果を糧にして、その後の就活の武器にしていくべきなのだ。
◆「最終面接までたどり着ける学生」とはどんな学生なのか?
1次面接から最終面接までで、それぞれの選考の目的や判断基準は異なる。 まず1次面接では、企業は多くの母集団の中から採用対象となる学生をざっくりと絞り込む必要がある。企業によっても異なるが、多くの企業は基本的なコミュニケーション力があるか、より深く聞いてみたいと思える学生時代に力を入れた経験(ガクチカ)があるかなどで合格かを判断する。 面接しなければいけない人数も多いので、短い時間でのオンライン面談や3人以上の集団面接などの手法で「浅く広く」学生を選考していく。 そういう意味では、1次面接に合格した学生は「最低限のコミュニケーションが取れ、大学時代の経験を含めて採用担当者から興味を持ってもらえた学生」ということだ。 逆に言えば、1次面接では対象の人数も多く面接時間も短いため、しっかりとした選考は企業側もできない。そのため、2次面接では個別に時間をかけて学生時代の経験から、志望理由まで詳しく聞いていく。ここで初めてその学生が、仕事に求められる基礎的な能力をもっているのか、自社が採用したい人材なのかを見極めていく。 たとえ1次面接で興味深い経験や結果を話した学生でも、より深く内容について聞かれ、本人の意志や能力が反映されていないと判断されれば不合格となる。それらを満たした学生が2次面接に合格し、最終面接に進む。 上記のプロセスや判断基準が全ての企業に当てはまるわけではないが、最終面接までたどり着く学生は総じて、 ・最低限のコミュニケーション力がある学生 ・大学時代の経験を通じてしっかりと社会人基礎力を身につけた学生 ・採用担当者や現場の管理職が採用したいと思える学生 であるといえる。採用活動の中でゼロから上記の学生を探すというのは大変なことなので、どこか1社でも最終面接にたどり着けたということは企業にとっても十分評価に値することなのだ。