「他社の最終面接で不採用」の学生は優遇する価値あり? 最終までたどり着く学生にしかない武器とは
◆たとえ最終面接が不合格であってもそこまで気にする必要はない
最終面接は経営者である社長や役員、大企業では人事部長や事業部長が行う。最終判断の場なので、もちろん採用決裁者からの目線で選考はされるが、本当に自社に入社したいかの意志確認の場として実施する企業も多い。 現在就活は売り手市場であり、多くの企業は内定辞退に悩まされているので、能力よりも志望度の高い学生に内定を出そうとする傾向もある。 そのため志望度がそこまで高くない企業の場合は、どんなに人事から評価されていても最終面接で役員から不合格が出ることはよくあるケースだ。 ただ、当然志望度が高ければ合格するというものではなく、どんなに入社意欲をアピールしても、能力や入社意欲が高くても、10人の採用枠に対して最終面接を受ける学生が20人いれば落ちてしまうこともある。 またどんなに人事や採用担当者から評価されていたとしても、最終面接を担当する役員クラスの面接官とたまたま相性が合わず、評価されずに終わることもある。 こればかりは運を味方にするしかない。ただ大切なことは、最終面接にたどり着いた時点で十分にその能力と人柄は会社からは評価されているということだ。 もちろん第1志望の企業の最終面接で合格できれば、それに越したことはない。ただ就職活動はそんなに甘くない。もし最終面接で不合格になったとしても、その結果を真摯に受け止め、次に生かしていく姿勢が重要だ。
◆最終面接不合格結果の生かし方:結果のふり返りと教訓の発信
最終面接で不合格の結果を得た場合は、その後の就活にどのように生かせば良いのか? ABABAのような最終面接まで進んだ学生向けのサービスを活用して、その結果を評価してくれる企業と接点を取ってみるのは1つの生かし方だ。選考プロセスの一部も免除してもらえることが多く「ある企業の最終面接までたどり着いた」という、就職活動での経験を1つの評価対象としてもらえるのはありがたい。 しかしそういったサービスを利用する、しないに関わらずぜひ行ってほしいことがある。それは「最終面接不合格」という経験のふり返りとそこから自身のキャリアや就活における教訓を得ることだ。 最終面接不合格という結果に対しては落ち込む必要はないが、何かが足りなかったか、ズレていた可能性があると認識してほしい。それが入社動機だったのか、求められる能力だったのか、会社や仕事への理解だったのか。明確な答えは得られないかもしれないが、自分なりの教訓は得た上で、それをぜひ就活の面接でも発信してほしい。 例えば、 「私はある企業の最終面接までいくことができましたが、残念ながら不合格となってしまいました。ふり返ると自分のやりたいことばかりアピールしていて、企業側がこれからやっていきたいこと、入社する社員に期待することは全く考えていませんでした。これからは自分のやりたいことに合わせて、企業が新卒社員に中長期的に期待することも含めて考えていきたいと学びました」 のような教訓を伝えるだけで、十分自己PRになるだろう。 そしてこうした自身のキャリアや就活へのふり返りは内定を何社も得た学生よりも、最終面接で悔しい思いをした学生だからこそ得られる武器だともいえるし、そういった経験をしている学生の方が採用する企業も安心感がある。 最終面接不合格という結果も、次なるより良い結果のためにぜひ生かしてほしい。
小寺 良二(ライフキャリアガイド)