【ガールズグランプリ】石井寛子が復活のV「80歳までグランプリに出続けたい」
今年のガールズケイリンNO1を決める「オッズパークpresentsガールズグランプリ2024」が29日、静岡競輪場で行われ、石井寛子(38)=東京・104期=が、直線で抜け出して快勝。優勝賞金1430万円(副賞含む)を獲得した。 石井寛が鮮やかに完全復活をアピールした。位置を求めて動いた坂口を入れて、周回は最後方の7番手。その坂口が最終ホームで強烈かましを放ち、世界選手権金メダリストの佐藤を叩き切る。坂口に付け切り、バックは2番手で通過。「この状況は何だろう。一番いい展開じゃないか」と思いつつ、「冷静になって、焦らずいつも通り走れば抜けるはず」と、気持ちをコントロール。真後ろから仕掛けてきた佐藤に踏み勝って、17年以来2度目の栄冠を手に入れた。 デビュー初年度から10年連続で出ていたグランプリだったが、5年目の初優勝以降は、《6》《6》《7》《7》失と散々だった。さらに昨年は次点で出場を逃す屈辱も味わった。そこから驚異のV字回復。「今年も4月までは賞金圏外で、(グランプリに)出られないかもと思ったこともあった。でも、今回は心身ともにいい状態で臨めたし、一年間応援してくれたファンの方の気持ちに応えられたのが一番うれしい」と、感謝の気持ちを表した。 ガールズケイリンの第一人者として、ボランティア活動にも積極的。地元・調布市のこども食堂に出向き、妹・貴子とともにお手伝いすることもしばしば。「たくさんの人に出会って、応援してもらった。そのおかげで頑張れたと思う」。大逆転で賞金女王に輝いた今回も、いつも通り賞金の一部を寄付する意向だ。「後は好きなアーティストの推し活に使いたい」と照れ笑いも。 今回は38歳でのV。史上最年長V(過去は13年中村由香里の32歳)を大幅に更新したが「自分の究極の目標は80歳まで現役だけど、80歳までグランプリに出続けたいな」と、さらに貪欲になった。その上で「毎年グランプリ出場を掲げてやっているが、来年も一戦一戦応援してもらえる走りをしたい」と、視線をまたファンに向けて、最高の笑顔で表彰式を締めくくった。(村山 茂生) ◆石井 寛子(いしい・ひろこ)1986年1月9日、埼玉県春日部市生まれ。38歳。明大卒。日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)104期生(女子2期)として、2013年5月にデビュー(京王閣〈1〉〈1〉《1》着)。13年9月「ガールズケイリンコレクション」(京王閣)での初制覇後、ビッグレースは8度目のV。ガールズグランプリは17年(平塚)以来2度目の制覇。通算889戦659勝。通算獲得賞金2億1220万3000円。160センチ、59キロ、太もも60センチ。血液型B。
報知新聞社