消費電力10倍…AI需要でサーバー高熱に、DC各社「液冷」対応急げ!
NTTデータ 千葉に検証施設開設 事業者で連携、共創
NTTデータはDCの液体冷却技術の活用推進に向けた検証施設「データセンタートライアルフィールド」(千葉県野田市)を開設した。日比谷総合設備、桑名金属工業(三重県桑名市)と協力して複数の液体冷却の装置やサーバーを同時稼働できる環境を構築した。DCに関わる各事業者が連携・協働する共創施設とする。サーバーなどのIT機器を絶縁性のある特殊な液体に浸して効率的に冷却する「液浸冷却」も含め、幅広く液体冷却技術の活用を業界横断的に模索する。開設時の冷却能力は75キロワット。 DC関連事業者の関心は高く、開設したと24年11月に発表後「想像を超えた引き合いがあった」(担当者)という。液体冷却対応サーバーやCDUの仕様がメーカーごとに異なっていたり、配管の仕様が日本向けに適していなかったりなどの課題を踏まえて解決策を探る。「各事業者間で相互に理解を深められれば、より最適な提案ができる。解決の糸口の発見や新たなソリューションの開発につなげたい」(同)と意欲的に取り組んでいる。 IDC Japan(東京都千代田区)は、AIサーバーとAIストレージで構成される国内AIインフラ市場の22年から27年における支出額の年平均成長率(CAGR)は16・6%と予測する。27年の同市場の支出額は1615億5000万円と予測しており、今後も着実な成長が見込まれる。DC事業各社の液体冷却技術の実用化に向けた取り組みも一層進展しそうだ。