40歳、口座残高が「1000万円」を超えそうです。貯めっぱなしは“危険”と聞きましたが、なぜでしょうか? 新たに口座を作るべきですか?
コツコツ貯めてきた銀行預金が、ついに1000万円を超えそうになると、達成感もありうれしいものでしょう。しかし、同時に「1000万円以上の銀行預金は危ない」という話も聞いたことがあり、心配になる人もいるのではないでしょうか。 そこで本記事では、なぜ1000万円以上の金額を金融機関に預金すると危ないといわれるのかに加え、実際にどうしたらいいのかを解説しますので、参考にしてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
なぜ預金1000万円以上の「貯めっぱなし」は危険なのか
金融機関に1000万円以上預金すると危険だといわれる理由は、「ペイオフ」とも呼ばれる日本の預金保険制度にあります。銀行などの金融機関といえども、経営が悪化し破綻することはあり得ます。 その場合、利用者の預金が戻らない可能性は否定できません。そのため日本では、利用者保護や、信用不安をなくす目的から、金融機関の破綻という万が一の事態に備え、預金保険制度によって預金が保護されているのです。 そこで問題になるのが、保護される預金の範囲です。実は図表1のとおり、普通預金や定期預金などの「一般預金等」については、全額ではなく「元本1000万円と破綻日までの利息」までしか保護されません。1000万円を超える預金については、破綻した銀行に財産がどの程度残っているかなどによって変わり、一部カットされるなど、預金が戻らないことがあります。 図表1
預金保険機構 預金保護の範囲 を基に作成
預金保険制度の注意点
預金保険制度には、さらにいくつかの注意点があります。一般預金等の1000万円の保護はあくまでも1金融機関につき預金者1人あたりです。そのため、同じ金融機関に複数の口座を作り、それぞれを1000万円未満にしても、合算されてしまうため効果がありません。さらに外貨預金なども保護対象外です。 図表2のとおり、金融機関の中でも、海外支店や外国銀行の在日支店、政府系金融機関などは預金保険の対象ではありません。また、預金が1000万円を超えても、金融機関からの連絡や通知はないため、預金者自身でしっかり対策を講じることが必要です。 図表2