40歳、口座残高が「1000万円」を超えそうです。貯めっぱなしは“危険”と聞きましたが、なぜでしょうか? 新たに口座を作るべきですか?
預金保険機構 預金保険制度の基礎知識
預金が1000万円を超えた場合に取るべき対策は?
1000万円を超える預金ができた場合、どのように金融機関の破綻に備えればよいのでしょうか。対策としていくつかの選択肢がありますが、例をいくつか紹介します。 ■複数の金融機関に口座を開設し、預金を分散する 金融機関の破綻に備えた最も簡単な対策は、複数の金融機関に口座を開設して、1つの金融機関の預金額を1000万円以下に分散することです。 保護される預金は1金融機関あたりとなっているため、2つの金融機関に分散すると実質2000万円まで、3つの金融機関なら3000万円まで安全に預金できます。複数の金融機関に口座を持つと、管理は多少面倒になりますが、最近は多くの金融機関がネットバンキングに対応しており、それほど煩わしさを感じることもないでしょう。 ■同じ金融機関内で決済用預金口座を利用する 複数の金融機関に口座を開設するのが面倒な人は、同一金融機関に「決済用預金口座」を開設するのも、預金保護の方法の1つです。「決済用預金口座」とは、決済サービスが提供される利息の付かない口座で、当座預金、無利息の普通預金などが該当し、図表1にもあるとおり、一般の預金と違い全額が保護されます。 あまり聞き慣れない口座ですが、決済の利用がなくても開設できる上、キャッシュカードも使えるため、利息が付かない以外は、ほぼ一般の口座と同じように利用可能です。そのため、同一金融機関内で預金を確実に保護したい人には有力な選択肢といえるでしょう。 ■証券口座やNISA口座で運用する 1000万円を超えた預金は、預金以外で積極的に運用する手法もあります。預金を維持するだけならば、金融機関の分散や決済用預金口座の活用で、簡単に預金保護が可能です。 しかし、インフレが進めば、預金のままだと資産が目減りしかねません。そのため、証券会社に証券口座を開設し、株や投資信託、国債などの金融商品で運用するのも1つの選択肢です。 また、株や投資信託は、NISA口座を利用すると運用益が非課税になります。40歳ぐらいの年齢であれば、老後に差し掛かるまで投資期間がありますので、少額から長期・分散・積立の堅実な運用も可能でしょう。 一方、株などは預金と違い、値動きが激しく元本割れのリスクがあります。積極的に運用する場合は、資産の状況や年齢などに応じたリスクを踏まえて、運用するよう心がけましょう。
まとめ
金融機関が破綻した場合、預金の1000万円を超える部分は戻らない可能性があります。しかし、複数の金融機関や決済用預金口座などを利用することで比較的簡単に預金の保護が可能です。努力して貯めたお金ですから、しっかり預金を保護するのはもちろん、そのほかの選択肢も含め、どうすれば有効に活用できるのか、これを機会に考えてみてはいかがでしょうか。 出典 預金保険機構 万が一金融機関が破綻した時 預金保険機構 預金保険制度の基礎知識 執筆者:松尾知真 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部