ダンロップタイヤ、3年ぶりポールポジション ナカジマ雨天の快走 伊沢拓也「選んだタイヤが、コンディションにぴったり」
◇スーパーGT 第8戦 予選 2日 モビリティリゾートもてぎ(栃木県) ペン=田村尚之 カメラ=多賀まりお 断続的に雨が降り続ける中での難しい争いとなり、GT500クラスはナカジマの伊沢拓也(40)/大草りき(24)組(ホンダシビック・タイプR)が、チームと装着するダンロップタイヤに3年ぶりのポールポジションをもたらした。今季から加入した大草は初奪取。GT300クラスはaprの小高一斗(25)/中村仁(18)組(レクサスLC500h)が最速の座を射止め、小高は4年ぶり、中村と車両は初めてのポールとなった。 (観衆=1万2300人) まさに水を得た魚のようだ。ナカジマのシビックを操る大草が、予選Q1で2番手をコンマ3秒もちぎるトップタイムを記録。合算で争われるQ2担当の伊沢もコンディション変化に惑わされず3番手につけ、2021年の第3戦以来となるポールを決めた。 車両保管場にクルマを止めた伊沢はゆっくりとピットに戻り、若い相棒と歓喜の抱擁。「選んだダンロップ(DL)タイヤが、コンディションにぴったり。うれしいし、ほっとしている」と穏やかな笑みを浮かべた。 前戦オートポリス大会(10月20日)でクラッシュし、チームに車両修復という余分な仕事を増やした負い目があった。「インターバルが短い中でクルマを壊してしまい…。(直してくれた)チームのためにも(ポールを取れて)よかった」。予選ながら結果で恩返しでき、胸をなで下ろした。 今季からGT500クラスに抜てきされた大草は「この場(ポール会見)にいられるのが特別な気分。本当にうれしい」と初ポールに満面の笑み。そして「久しぶりにちゃんと予選を行え、しっかりポールを取れ、チームや僕らのレベルが高いことを証明できた」と胸を張った。 複数のタイヤメーカーがしのぎを削るスーパーGTは、チームが選んだタイヤがコンディションに合っているか否かで勝敗に大きく影響する。気温で数度、雨量も1ミリ違うだけでまるで違う結果になるほどシビアな戦いになっている。 GT500では唯一のDLユーザーのナカジマは、データ量ではハンディを背負うが、メーカーと緻密な開発を続けてきた。伊沢は「ここ数戦、雨で予選がちゃんとできなかったのが残念だった」というほど晴れ用タイヤに好感触を持っていた。「まさかウエットでポールが取れるとは思っていなかったけど、ここまできたら(決勝も)勝ちにいきたい」とぶち上げた。快晴が予想される決勝で、大逃げを狙う。
中日スポーツ