「山の日」制定記念? 高尾山&六甲山、どちらも「奥」「裏」がおもしろい
8月11日は祝!山の日。といっても、施行は再来年2016年からですが、自民、民主両党など超党派の議員連盟が法案を提出、5月23日の衆院本会議で可決されました。学生・生徒は夏休み期間で、会社員もお盆休みと重なる人もいるので、有難み(?)はいまひとつにしても、法案に明記されたその主旨「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」に倣って、暑さの盛りが過ぎた頃、「都の奥座敷」のような山を訪れてはいかがですか? 東の高尾山と西の六甲山、どちらにも「奥」や「裏」ならではの楽しさがあります。
高尾山のミシュラン三ツ星の理由は「奥」でこそ実感できる?
年間260万人の登山者を数える高尾山は「登山者数世界一の山」。2007年4月、ミシュラン日本版観光ガイドで富士山、日光東照宮、京都清水寺などと並び、最高評価の★★★を獲得したことも追い風となり、休日は京王線高尾山口駅からケーブルカー清滝駅や薬王院の表参道まで人の頭、頭、頭、頭、頭。標高599mの山頂でも、腰をおろしておにぎりを食べる場所を探すのに苦労するほどです。でも、そこから少しがんばって奥高尾(裏高尾とも)に足を延ばせば、木漏れ日や樹間を吹き抜ける風が心地よい、快適な尾根歩きが楽しめます。 足元は比較的安定しているし、適度にアップダウンもあって、日頃の運動不足解消にも好適。山頂近くのビジターセンターによれば、「ここから奥高尾まで歩く人は1割程度」とか。分母となる数が大きいだけに、『日本百名山』の著者・深田久弥が愛した「避衆登山」の境地には至りませんが、ほどほどに人がいるほうが初心者には安心だったりします。 高尾山頂の広場から西側の階段を下ると「これより奥高尾」との木柱がどーんと屹立しています。そこからほんのひと登りでモミジ平の茶屋。山頂の混雑を避け、ここでとろろ蕎麦やなめこ汁に舌鼓を打つのも一興です。道はこの先、「奥高尾縦走路」として陣馬山に至りますが、小仏城山、景信山、明王峠、陣馬山と要所要所に茶屋(平日は休業の場合も。明王峠は不定期オープン)もトイレもあり、途中に置かれた木造りのベンチもうれしい。ここから先の行程を、やや早足で辿ってみましょう。