NY紙が羽生を異例大特集も「氷上M・ジャクソンの負傷が五輪連覇を脅かす」
そして、そのことが五輪の成功にさえ大きな影響を与えているという。 「チケット販売や、ただでさえ注目度が上がらない世界的なイベントに影響を与えるかもしれない。五輪のマーケティング担当者たちは2020年東京五輪、2022年北京五輪へ向けたアジア市場の開拓という大きな機会を逃すことになるかもしれない」と危惧した。 また「五輪のリンクの中には安心をもたらすプーさんは持ち込めない。プーさん関連のものはスポンサーやブランドに関する五輪ルールに違反するからだ」と、羽生のマスコットであるくまのプーさんが五輪では使えないことまでをレポートしている。 羽生の演技は、芸術性と競技性の両方を兼ね備えたものだが、そのことが「時折、彼に障害をもたらしている」というのが、同紙の見解だ。 「羽生は抜群の芸術性を持ち、また他の選手よりも正確なジャンプを跳びたいと考えているアスリートだ。そのことが必要のない怪我のリスクを増やしている」 五輪での金メダル争いのライバルとなる米国のネイサン・チェンがフリーでは5回の4回転ジャンプを組み入れていることが、羽生に影響を与えていることにも触れ、「怪我をする可能性があったが、羽生はジャンプを跳ぶペースを(チェンに)合わせたかった。彼はブラジル人にとってのサッカーと同様にフィギュアスケートを見ているようだった。守りの演技で勝つよりも意欲的に魅力的に滑り負けるほうがよいと(考えているかのように)」と分析。「アスリートであるからには次から次へとチャレンジを続けるのは当然のこと。2018年の平昌五輪では2014年のソチ五輪よりも印象を残せる演技を披露したい」という羽生の声を伝えている。 またブライアン・オーサー・コーチの「彼は、何か大きな動きをしなくても勝てるだろう。だが、それでは羽生とは言えない。彼はリスクを負うことを望んでいる。前回よりも大きな勝利を狙っている。(前回は)五輪で見る魔法のような瞬間ではなかった」という談話と共に、羽生の果て無き探究心が、それらの背景にあることを説明した。